日本刀販売専門店 銀座長州屋

宇治川合戦図鐔 銘 洛南住元武作


江戸時代中期 山城国京都 保存刀装具鑑定書

 鉄地肉彫に金銀素銅の象嵌を施す手法により、合戦の場面を躍動的に表現するを得意とした鐔工に、彦根の藻柄子宗典がおり、その影響を受けたものであろう京には柊屋やこの元武などがいる。いずれも重要な意味を持つ名場面、あるいは武家が採るべき行動や規範を示したもので、後藤家の合戦図などに通じるところがある。本作は人物や背景の描写に量感があり、特に人物の表情には独創性が窺える。画面を斜めに切る宇治橋が力強く、雪解けの増水による波も複雑で一際激しい描写。

(『銀座情報08月号』 掲載品)