波龍図鍔(鐔) |
江戸時代後期 土佐国 鉄槌目地木瓜形鋤出高彫 |
厚手で大振り、槌目の跡も荒々しい迫力満点の鐔。生き物のように伸びあがる立浪を掴み取るかのように手を伸ばした龍はそのまま天を翔け昇りそうな勢いである。鋤出高彫の波とともに甲鋤彫りのごとく彫られた波が画面に奥行きを与え、打ち返された耳際には点刻が施されている。羽方公彦は土佐藩から扶持を支給された白銀師で、『金工事典』等書籍の記述には謡曲を好み、六十八才までの生存が確認されているとあるが、本作は文政七年七十五才の作である。高知城西水通町に住んでいた。 |
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