小刀穂
銘 武蔵住國家作
梵字・竹虎図彫刻 銘 琇巴彫之

KUNIIE (Engraving: SHUHA)


吉原國家 東京都葛飾区 無監査 東京都無形文化財
Yoshiwara KUNIIE:
 
lives in Katsushika city, Tokyo capital / certified MUKANSA swordsmith by NBTHK / Tokyo Intangible cultural property holder
彫刻 橋本琇巴 埼玉県狭山市
Engraving: Hashimoto SHUHA: lives in Sayama city, Saitama prefecture





穂長 (Edge length):五寸八厘(15.4cm) 元幅(Width at Ha-machi): 五分一厘(1.56cm)
全長(Whole length): 七寸九分五厘(24.1cm)
銀無垢一重ハバキ,白鞘Solid silver single Habaki, Shirasaya

朱石目地塗鞘合口拵入 Shu ishime-ji nuri saya,aikuchi koshirae
拵全長:一尺五分二厘(Whole length: 31.9cm)
柄長:三寸一分(Hilt length: 9.4cm)

*  *  *

 吉原國家刀匠は昭和二十年生れ。中学生の頃から初代國家(祖父)を手伝って鍛冶業を身に着け、戦後、新作名刀展で数々の特賞を受賞し、伊勢神宮の御神宝太刀の鍛造の重責を担う。平成十五年トム・クルーズ主演の映画『ラストサムライ』で刀鍛冶役として出演。詰み澄んだ地鉄に備前伝の丁子乱刃や備中青江風の逆丁子乱刃の冴えた優品を手掛ける、平成を代表する名工の一人である。
 この小刀穂は身幅充分、無反りでふくら枯れごころの、凛とした美しい姿。地鉄は板目肌詰み澄み、地沸微塵について鉄色は蒼く冴え、これに橋本琇巴師の猛虎と千手観音の梵字の彫が見事に映える。刃文は互の目乱れ刃、純白の小沸で刃縁は締まりごころに明るく、帽子は突き上げて小丸に返る。茎は制作時そのままに白く輝き、筋違鑢が入念に掛けられている。朱石目地塗の拵には返角が附され、白鮫皮着柄に付された角目釘がピリリと効いている。目釘穴はないが、白鞘と拵の柄に目釘が埋め込まれて飾映えも上々。こういう気働きが、名工の名工たる所以なのであろう。

価格 二十五万円

 




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