拍子木透鍔(鐔) |
室町時代 |
時雨鑢とはよく言ったもので、鐔全面に雨のような細かな縦の線が刻まれている。かつて施されていた黒漆が時の経過とともに薄れ、現れた山銅地は意外なほど明るく艶めいて、透明感さえ感じさせる。意図して表そうとしても表し得ない、数百年の時が作る陰影と抑揚が最大の魅力か。細長い長方形の陰透は拍子木かもしれないし、そうではないかもしれない。作者のみぞ知る、である。手仕事の温もりを感じさせる素朴な鏨跡が見える。切羽台を挟んで向き合う長方形の陰透。あなたなら、何を、どう感じるだろう。「古いは新しい」のかもしれない。 |
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