熊谷・敦盛図透鍔(鐔)
無銘 京金具師

江戸時代中期 山城国京都

赤銅地丸形肉彫地透色絵
縦:82mm 横:82.7mm
切羽台厚さ:5mm
耳際厚さ:4.5mm
特製桐箱入

保存刀装具鑑定書
ご成約を賜りました

 一ノ谷の戦いから敗走し海上の船に合流しようと馬を急がせる平氏の若き武将敦盛を、「逃げずに自分と勝負せよ」と扇をかざして呼びかける源氏の武将熊谷直実。馬を返して相対した人物を組み伏せて顔を見ればまだ年の頃十六、七才の美少年だった。直実の息子、小次郎と同い年くらいである。一瞬の逡巡の後、他の者の手に掛かるよりはとその首を打ち落とす直実。『平家物語』の中でも特に印象に残る「敦盛最期」の場面である。後に世阿弥により編作された謡曲『敦盛』、信長が好んだ幸若舞『敦盛』、浄瑠璃、歌舞伎では並木宗輔による『一ノ谷嫩軍記』など敦盛の最期を題材にした創作は多数ある。青味を帯びた上質の赤銅地をやや横広がりの安定感のある丸形に仕立て、「一ノ谷の戦い」から「敦盛の最後」に至るまでの一連の流れを、まるで舞台を見ているかのように一枚の鐔に展開した作。色絵も古風な趣で好ましい。
熊谷・敦盛図鍔(鐔) 無銘 京金具師

熊谷・敦盛図鍔(鐔) 無銘 京金具師

熊谷・敦盛図鍔(鐔) 無銘 京金具師

熊谷・敦盛図鍔(鐔) 無銘 京金具師

熊谷・敦盛図鍔(鐔) 無銘 京金具師

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