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祇園忠盛

 平家一門の隆盛の始まりの物語。

物語は平安時代の永久頃。時の権力者白河院は僅かな供を連れ、恋人である祇園女御の宿所へと向かった。五月雨の降るある夜のことであった。
  女御の宿所近くの御堂にさしかかると、はて、何やら怪しい光が動いている。見ると銀の針のような髪の毛を振り乱し、小槌らしきものを手にした鬼ではないか。「あな恐ろしや」狼狽する一行。北面の武士平忠盛が呼ばれた。「鬼を退治せよ」。忠盛は鬼に素早く近寄って襟首を掴んでみると、なんと鬼ではなくそれは老僧であった。降りしきる雨の中、頭に藁束を笠のようにして被り、御堂前の道を照らす灯籠に灯を点していたのだった。
  忠盛の思慮深さと武勇に感心した白河院は褒美に祇園女御を忠盛に下賜した。女御の腹には実は白河院の子が宿っていたが、院は「女子なら我が子に、男子なら忠盛お前の子として立派な武士に育てよ」と仰せになられた。
  かくして生まれた男子こそあの清盛。異例の出世をとげて、保元平治の乱に勝ち、官位を詰めて天皇の外戚(安徳天皇の外祖父)となり、栄耀栄華の限りを尽くした。それもすべては父忠盛の沈着と度胸によるもの。祇園忠盛図は江戸時代の武士の指針の一つであったのであろう。





鐔 銘 政應
四分一石目地竪丸形肉合彫色絵象嵌

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小柄 無銘
赤銅魚子地高彫色絵 裏板金削継

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目貫 無銘
銀地容彫色絵

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縁頭 無銘
四分一地高彫色絵

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