鐺に穴を穿ち、革緒を通して結び、後方に二寸ほど垂らしたもので、鎌倉時代から絵画等に散見されるが、室町時代の短刀拵にも見受けられる。鞘尻にゆれる革緒に犬がじゃれついたところからの呼称であろう、往時の街中の様子が想像される。本来の用途は、刀身を鞘より抜く際に鞘が帯より抜け出ぬよう、下緒をこの犬まねきの革緒に通して結び留めたものである。
索引【い】 分類[刀装] 登録日-2002/06/17 18:26