東京都 昭和六十二
刃長 九寸五分六厘
反り 僅少
元幅 一寸一厘
重ね 二分三厘
彫刻 表 「不自惜身命」文字陰刻
裏 二筋樋掻流し
金着一重ハバキ 白鞘付
昭和六十二年東京都登録
450,000 円
Item number:1717
Swordsmith: Shimizu TADATSUGU
Tokyo capital
Showa 62 (A.D.1987)
Hacho 29cm
A little curvature
Moto-haba (Width at Ha-machi) : Approx. 3.06cm
Kasane (Thickness) : Approx. 0.7cm
Horimono : Omote "Fu ji shaku shin myo" 5 letters
Ura "2 suji hi" kaki-nagashi
Gold foiled single Habaki
Shirasaya
450,000 JPY
清水忠次(しみず ただつぐ)刀匠は大正十年、東京都葛飾の生まれ。作刀の開始は比較的遅く、三十代後半に初代吉原國家刀匠に入門し、自ら学んでいた居合術や抜刀術を通して作刀に活かした。その後の名刀展などでは多くの賞を受賞しており、全日本刀匠会の相談役を勤めるなど公の場でも活躍し、伊勢神宮への奉納刀の製作にも携わっている。
この寸の延びた短刀は、身幅も広く重ねも厚い頑強な造り込みで、物打辺りがわずかに削がれて鋭い印象がある。刀身の表に「不自借身命(命を惜しまず仏道の教えに精進するの意)」の文字が力強い筆致で彫り込まれている。裏には二筋樋が掻き流されて姿を引き締めている。小杢を交えた小板目鍛えの地鉄は微塵に詰み、全面が微細な地沸で覆われ、繊細でしかも濃密な地景が現れ、殊に刃寄りに躍動的な景色を浮かび上がらせている。刃文は奇麗な互の目乱が高低抑揚のある構成で、帽子は浅く乱れこんで先小丸に浅く返る。小沸の粒子が細かく揃った焼刃は、地刃を越えて現れた地景から金線に連なる肌目に無数のほつれを生み出し、刃先に広がる沸足と絡んで鮮やかな刃肌の働きとなっている。刀身彫は、ここでは作刀に対して命を惜しまず精進するという決意を示したものであろう、地刃の冴えた出来となっている。
(商品番号1717)