藤安正博
福島県福島市立子山
令和五 78歳作
刃長 六寸三分三厘
元幅 五分八厘
重ね 一分
銀地一重ハバキ
朱漆塗鞘入
令和5年福島県登録
Fujiyasu MASAHIRO
Fukushima prefecture
Forged in 2023 (Reiwa 5)
work at his78 yeaers old
Hacho (Edge length) : 19.2cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) : 1.77cm
Kasane (Thickness) : 0.33cm
Silver single Habaki
Shu urushi nuri saya
藤安将平刀匠は昭和二十一年十一月、福島県伊達郡川俣町に生まれる。昭和四十一年に宮入行平師(人間国宝)に入門して技術研鑽、昭和五十年に福島市立子山に独立して鍛冶場を構えた。一貫して相州上工の作を念頭に作刀し、平成二年に相州伝の平造脇差で日本美術刀剣保存協会会長賞、平成十四年には古調な姿の太刀で寒山賞を受賞している。新作刀展への出品を控えている今日も、古刀期の先達の作品の観察と研究から得た着想を温めながら、衰えぬ創作意欲を活力として鎚を振るい、日々新たな作品への挑戦を続けている。
表題の剣は先端に目釘穴が穿たれた、無反りの独特の茎形で、正倉院蔵の切刃造の大刀、鋒両刃造の刀や手鉾から得た閃きを温めて鍛造されたとみられる一口。両方の刃に沿った二本の鎬筋が屹然と起ち、先端で一つに結び鋒に抜けた、引き締まって美しい姿。地鉄は硬度の異なる古鉄を合わせ鍛え、不純物の一切が叩き出されて透き通るような肌合いとなり、地沸が厚く付き、地景が脈々と入って鉄色が冴える。刃文は直刃、区上を潤みごころに焼出し、純白の小沸で刃縁が明るく、刃境に湯走り長く掛かって二重刃となり、刃中は澄む。帽子は僅かに掃き掛けて焼き詰めとなる。茎の仕立ては丁寧で、製作時のままの白銀色が保たれ、二字銘が神妙に刻されている。将平師の創意と衰えぬ技術が冴えた逸品で、朱漆塗柄鞘に納められている。