脇差
銘 水心子正次(花押)
嘉永四年二月日

Wakizashi
Sig. Suishinshi MASATSUGU [Kao]
Kaei 4 nen 2 gatsujitsu


武蔵国 嘉永 百七十二年前

刃長 一尺五寸五分七厘
反り 三分三厘
元幅 九分三厘
先幅 六分三厘
棟重ね 二分
鎬重ね 二分強

金着一重ハバキ 白鞘付

一分刻黒石目地塗鞘脇差拵入
拵全長 二尺二寸
柄長 五寸二分

平成十七年栃木県登録
特別保存刀剣鑑定書

価格 八十五万円(消費税込)

Musashi province
Kaei 4(A.D. 1851, late Edo period)
172 years ago

Hacho (Edge length) 47.2cm
Sori(Curvature) approx. 1.18cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx.2.82㎝
Saki-haba (Width at Kissaki) approx.1.91cm
Kasane(Thickness) approx. 0.61cm

Gold foil single Habaki / Shirasaya

Ichi-bu kizami kuro ishimeji nuri saya,
wakizashi koshirae
Whole length: approx. 66.7cm
Hilt length: approx. 15.8cm

Tokubetsu-hozon by NBTHK

Price 850,000 JPY

 正次は新々刀諸工の父と尊称される水心子正秀の孫。十三歳で祖父と父貞秀に死別し、祖父の高弟大慶直胤に入門して作刀を学び、後に師の娘婿となった。正秀と直胤の両工が終生の目標とした古作の再現に感化されて自らも試み、「太刀姿正秀ニ似タリ。地鉄ノキタイ((鍛))直胤ニ似タリ」(『新刀銘集録』巻二)と評されている。
 大小一腰の脇差として鍛造されたこの脇差は、身幅重ね尋常に両区深く、腰反り高く中鋒の古調な姿。微塵に詰んだ小板目鍛えの地鉄は小粒の地沸が厚く付いて潤う。刃文は、区下焼き込み~始まる焼の高い華麗な重花丁子乱刃で、帽子は乱れ込んで先小丸に返る。沸匂深く明るい焼刃は、刃縁に沸が良く付き、僅かに金線と砂流しが掛かり、匂で澄んだ刃中には左右に広がる足が繁く入って交叉し、鎌倉時代の備前福岡一文字を想わせる。焼頭の上に淡くかかった丸い飛焼の中は黒く澄んで備前古作の映りの再現が試みられている。丁寧に仕立てられた茎は錆浅く保存が頗る優れ、入念に刻された銘字と刻印は祖父正秀に近似している。刃形の模倣に留まることのない正次の、作刀への意欲に満ちた佳品となっている。 附されている刻鞘の拵は、刀身と同時に製作された生ぶの造りで、狂言の一場面の如き滑稽味ある図の目貫が巻き込まれ、柄糸の間から際端銘が垣間見えて興味深い。

脇差 銘 水心子正次(花押) 嘉永四年二月日脇差 銘 水心子正次(花押) 嘉永四年二月日脇差 銘 水心子正次(花押) 嘉永四年二月日 白鞘

一分刻黒石目地塗鞘脇差拵 脇差 銘 水心子正次(花押) 嘉永四年二月日一分刻黒石目地塗鞘脇差拵 脇差 銘 水心子正次(花押) 嘉永四年二月日

脇差 銘 水心子正次(花押) 嘉永四年二月日差表切先脇差 銘 水心子正次(花押) 嘉永四年二月日差表中央脇差 銘 水心子正次(花押) 嘉永四年二月日 差表ハバキ上

脇差 銘 水心子正次(花押) 嘉永四年二月日 刀身差裏切先脇差 銘 水心子正次(花押) 嘉永四年二月日  差裏中央脇差 銘 水心子正次(花押) 嘉永四年二月日 差表ハバキ上

脇差 銘 水心子正次(花押) 嘉永四年二月日 ハバキ