刃長 二尺三寸五分二厘
反り 七分
元幅 一寸一分四分五厘
先幅 八分五厘
棟重ね 二分一厘
鎬重ね 二分六厘
彫刻 表裏 棒樋掻き流し
金着一重太刀ハバキ 白鞘付
黒蝋色塗鞘打刀拵入
拵全長 三尺四寸四分八厘
柄長 八寸一分一厘
平成六年兵庫県登録
価格 八十万円(消費税込)
Hacho (Edge length) 71.3
cm
Sori (Curvature) 2.1cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) 3.47㎝
Saki-haba (Width at Kissaki) 2.6cm
Kasane (Thickness) 0.8cm
Engraving: "Bo-hi" kaki-nagashi on the both sides
Gold foil single Tachi Habaki / Shirasaya
Kuro ro-iro nuri saya, uchigatana koshirae
Whole length: 104.5cm
Hilt length: 24.6cm
Price 800,000 JPY
秋葉包平刀匠は昭和二十九年生まれ。少年期に感動した木の年輪等の大自然の美が、刀の地肌にもあることを知り、なんとしても我が手で生み出したいと、昭和四十九年に宮入昭平師に入門。師の没後は昭和五十二年兄弟子高橋次平刀匠に師事し昭和五十四年に独立。相州伝の鍛法研究に邁進した。
この刀は、新作刀展で努力賞に輝いた平成六年の作。真の棟で身幅頗る広く、輪反り高く中鋒延びごころに、刀樋の先が強く上がった力強い姿。地鉄はよく詰んだ板目肌に細かな黒い鉄が縦横に入って肌に活力が漲り、厚く付いた小粒の地沸が煌めいて晴々とした鉄色を呈す。刃文は焼高い互の目乱刃に山形の刃、尖りごころの刃、矢筈風の刃を交えて奔放に変化し、純白の小沸で刃縁明るく、細かな金線と砂流しが僅かに掛かり、焼の谷から沸足が太く入り、匂充満して刃中澄み、互の目の刃中に入った沸の玉は肥前刀の虻ノ目刃を想わせ、平地にも飛焼が入る。帽子は浅く弛んで突き上げて小丸に返る。茎は製作時そのままに白銀色に輝き、草書風に崩した銘字が刻されている。相州正宗に代表される沸出来の作への研究を深めていた時期(注)の作で、力強く美しい刀に仕上げられている。
牡丹透図鐔、花束図の綺麗な目貫、立浪に日月の銀金具で装われた、黒蝋色塗鞘打刀拵が付されている。