朱微塵塗鞘短刀拵
花尽一作金具 牡丹図縁 銘 松尾重孝刀
牡丹図小柄 銘 松尾重孝(花押)
木蓮図鐺 銘(花押)
勝虫図目貫 割際端銘 松尾・重孝
両刃造短刀 無銘 青竜子兼次

Shu mijin nuri saya, tanto koshirae
"Hana-zukushi" fittings
"Botan" designed Fuchi: Sig. Matsuo SHIGETAKA tou
"Mokuren" designed Kojiri: Sig. [Kao]
"Kachimushi" designed Menuki:Sig. Matsuo/Shigetaka

Moroha-zukuri tanto:
no sign Seiryushi KANETSUGU



松尾重孝 山城国 嘉永頃 約百七十年前

拵全長 一尺二寸九分六厘
鞘長 九寸五分
柄長 三寸一分強

刀身
陸奥国 嘉永頃

刀身 刃長六寸七分三厘
元幅 七分
重ね 三分二厘
金無垢二重ハバキ 白鞘付

令和三年東京都登録

特別保存刀装具鑑定書
保存刀剣鑑定書

Koshirae: Matsuo SHIGETAKA
Yamashiro province
Kaei era (A.D.1848-1853, late Edo period)
about 170 years ago

Whole length: 39.3cm
Scabbard length: approx. 28.8cm
Hilt length: approx. 9.4㎝

Sword: Seiryushi KANETSUGU
Mutsu province Kaei era

Hacho(Edge length) 20.4cm
Moto-haba(Width at machi) approx. 2.12cm
Kasane(Thickness) approx. 0.97cm

Solid gold double Habaki / Shirasaya

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK (Fittings)
Hozon certificate by NBTHK (Sword)

 松尾重孝は今井永武の門人。師永武は京都の紙商笹屋忠兵衛の四男で、一条家臣の今井小三郎の養子となり、彫金を志して後藤一乗に入門した。重孝は謹厳で孤独を愛した永武と馬が合い、師の晩年には代作も勤めている。
 表題の松尾重孝一作金具で装われた美しい朱微塵塗鞘の拵は、銀磨地に毛彫と甲鋤彫で、口金・鐺・栗形・裏瓦に早春の木蓮、頭には桜花、縁と小柄に華麗な牡丹が、瑞々しくも優雅に彫り描かれている。赤銅地容彫の目貫は勝虫図で、一際大きな目玉と透き通る羽はまさにオニヤンマ。雪輪文の目釘金具と切羽は金無垢で豪華。金具のふっくらとした肉置は一乗、正確な鑚使いは永武譲り。
付帯する大和保昌を範に精鍛された両刃造短刀は、無銘ながら、重孝と同時期の仙台刀工青竜子兼次と極められている。鎬筋が強く起って姿が凛とし、國包に見紛う柾目鍛えの地鉄は肌に沿って小粒の地沸が流れ、鉄色は晴れやか。直刃調の刃文は浅く湾れ、刃境に金線、湯走り、喰い違いが掛かり、刃縁きっぱりと冴える。内外とも得難い逸品となっている。

朱微塵塗鞘短刀拵
花尽一作金具 松尾重孝朱微塵塗鞘短刀拵
花尽一作金具 松尾重孝

勝虫図目貫 割際端銘 松尾・重孝

勝虫図目貫 割際端銘 松尾・重孝

花尽一作金具 頭

富貴(牡丹)図縁 銘 松尾重孝刀
牡丹図縁 銘 松尾重孝刀

牡丹図縁 銘 松尾重孝刀

牡丹図小柄 銘 松尾重孝(花押)牡丹図小柄 銘 松尾重孝(花押)

木蓮図鐺 銘 花押

木蓮図栗形

両刃造短刀 無銘 青竜子兼次両刃造短刀 無銘 青竜子兼次両刃造短刀 無銘 青竜子兼次 白鞘

両刃造短刀 無銘 青竜子兼次 差表切先両刃造短刀 無銘 青竜子兼次

 

ハバキ 両刃造短刀 無銘 青竜子兼次