短刀
生ぶ茎無銘 会津元興

Tanto
no sign (Ubu-nakago) Aizu MOTOOKI


陸奥国 安政頃 約百六十年前

刃長 六寸一分三厘強
元幅 六分三厘
棟重ね 一分三厘
鎬重ね 二分

銀着一重ハバキ 白鞘付

茶石目地塗桐文蒔絵鞘合口短刀拵入
拵全長 一尺一寸六分
柄長 三寸強

平成二十年愛知県登録

保存刀剣鑑定書(会津元興)

価格 四十五万円(消費税込)

Mutsu province, Ansei era, about 160 years ago

Hacho (Edge length) 18.6cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx.1.91㎝
Kasane (Thickness) approx.0.61㎝

Silver foil single Habaki / Shirasaya

Cha ishime-ji nuri "Kiri" mon makie saya,
aikuchi tanto koshirae
Whole length approx. 35.1cm
Hilt length approx.9.1cm

Hozon certificate by NBTHK(Aizu Motooki)

Price 450,000 JPY

 会津元興と極められた生ぶ茎無銘の短刀。元興は文政元年会津に生まれ、安政六年に江戸に出て石堂運壽是一に入門、慶応元年には秀國と改銘し、翌年七月に大和守を受領した。沸出来の直刃と互の目乱刃の刃味優れた作を手掛け、会津十一代和泉守兼定と並び尊称される幕末会津の屈指の優工である。
 この短刀は元興得意の相州伝の一口で、差表が鎬筋の屹然と立った菖蒲造、差裏が平造と表裏異なる造り込み(注)。板目鍛えの地鉄は太い地景で肌目が起ち、小粒の地沸が付いて地肌硬く締まる。刃文の形状も表裏で異なり、差表が浅い湾れに湯走り、沸筋を交えた自然味のある乱刃で、差裏は焼頭の揃った互の目乱。表裏共に粒立った沸が厚く付いて強く輝き、刃境に煌めく金線と砂流しが掛かり、刃中は沸付く。帽子は焼を充分に残し、激しく掃き掛けて長めに返り、浅い棟焼を施す。
 付帯する拵は、幕末の武士が長刀に差し副えた合口短刀拵。花桐文を陰蒔絵した茶石目地塗鞘は金布目象嵌で花桐文を要所に配した鉄金具で装われ、茶漆で仕上げた細糸巻柄も光沢を呈して瀟洒。矢根透図小柄が全体の雰囲気を一段と引き締めている。

注…会津十一代兼定にも、差表を切刃造、差裏を平造とした脇差がある(『銀座情報』三九四号)。

短刀 生ぶ茎無銘 会津元興短刀 生ぶ茎無銘 会津元興茶石目地塗桐紋蒔絵鞘合口短刀拵 短刀 生ぶ茎無銘 会津元興短刀 生ぶ茎無銘 会津元興 白鞘

 

 

短刀 生ぶ茎無銘 会津元興 差表切先短刀 生ぶ茎無銘 会津元興 差裏切先

花桐文図縁頭

花桐文図栗形・鐺

鏃図小柄

短刀 生ぶ茎無銘 会津元興 ハバキ