短刀
銘 宮入昭平鍛之 永山光幹淬刃之
昭和丗五年十月日

Tanto
Sig. Miyairi AKIHIRA kore wo kitae,
Nagayama KOKAN kore wo saiba su
Showa 35 nen 10 gatsujitsu


宮入昭平 長野県坂城 人間国宝 47歳
永山光幹 神奈川県 人間国宝(研磨)40歳

刃長 八寸三分四厘
元幅 一寸一厘
重ね 一分七厘
彫刻 表裏 棒樋掻き流し

金着二重ハバキ 白鞘入

昭和四十年長野県登録
保存刀剣鑑定書

価格 百六十五万円(消費税込)

Swordsmith: Miyairi AKIHIRA
(Holders of intangible important cultural properties)
Lived in Nagano prefecture
Sharpener: Nagayama KOKAN
(Holders of intangible important cultural properties)
Lived in Kanagawa prefecture

Hacho (Edge length) 25.3㎝
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx.3.08㎝
Kasane (Thickness) approx.0.54㎝
Engraving: "Bo-hi" kaki-nagashi on the both sides

Gold foil double Habaki / Shirasaya


Hozon certificate by NBTHK
Price 1,650,000 JPY

 昭和三十五年、無鑑査となった宮入昭平刀匠(注①)が鍛え、先に無鑑査となった永山光幹研師(注②)が焼入れして研いだ短刀。宮入師と永山師。各々の道で厳しい修業を積み、戦後、作刀が許されなかった苦境を乗り越えてきた二人の想いは技術の一層の錬磨と後継者への伝授。見る人の胸を打つ作を手掛け、その作に共鳴して門戸を叩く若者を育て、彼らに刀の未来を託すことこそ、二人の夢であった(注③)。
 この短刀は棟を真に造り、身幅広く重ね厚く、棒樋が掻かれ、ふくら充分について無反りの力感ある姿。地鉄はよく詰んだ板目に流れごころの肌を交え、地沸が厚く付いて肌潤い、細かな地景が入り、肌に弾力味が感じられ、棟寄りに湯走り掛かり、鉄色は明るい。腰刃から始まる刃文は源清麿の馬の歯を想わせる刃を交え、物打付近の焼が高く、刃縁に純白の沸が煌めき、沸足太く入り、細かな金線、砂流しが掛かって覇気横溢。帽子は浅く弛み、やや突き上げて小丸に返る。茎の仕立ては丁寧で未だ白銀色に輝き、銘字が入念に刻されている。宮入師が本三枚で鍛え、永山師が宮入師の指導で清麿伝の焼刃渡しを施し、永山師が地刃晴々と研ぎ上げた一口。鍛刀と研磨の技術で、戦後の刀界を牽引した二大巨匠の稀有の合作である。

注①栗原昭秀の日本刀鍛錬伝習所で修業。昭和三十八年に国指定重要無形文化財保持者認定。

注②本阿弥光遜師の門人。昭和三十年年八月無鑑査、平成十年に国指定重要無形文化財保持者認定。

注③宮入師は自著『刀匠一代』で、永山師は『日本刀を研ぐ』で、個々の技術向上の努力と後継者育成の重要性について述べている。宮入門からは大隅俊平、河内國平、上林恒平、高橋次平、子の小左衛門行平ら多数を輩出。永山門には杉原弘、宮形紀興、藤本光豊、大川晃永、阿部栄などの優れた研師が出た。

短刀 銘 宮入昭平鍛之 永山光幹淬刃之 昭和丗五年十月日短刀 銘 宮入昭平鍛之 永山光幹淬刃之 昭和丗五年十月日短刀 銘 宮入昭平鍛之 永山光幹淬刃之 昭和丗五年十月日 白鞘

短刀 銘 宮入昭平鍛之 永山光幹淬刃之 昭和丗五年十月日 差表中央短刀 銘 宮入昭平鍛之 永山光幹淬刃之 昭和丗五年十月日 差表ハバキ上

短刀 銘 宮入昭平鍛之 永山光幹淬刃之 昭和丗五年十月日 差裏切先短刀 銘 宮入昭平鍛之 永山光幹淬刃之 昭和丗五年十月日 差裏ハバキ上

短刀 銘 宮入昭平鍛之 永山光幹淬刃之 昭和丗五年十月日 ハバキ