獅子図小柄 |
江戸時代後期 |
粒の揃った微細な赤銅魚子地の中央に配された金紋の獅子。巻毛は高くきつく巻き上がり、腹はグッと引き絞られ、四肢は力強く、爪は鋭い。正に山高く、谷深い彫口。厚い金哺には謹直な銘字が整然と刻されている。獅子を得意とする菊岡派。その源流は横谷獅子であるが、精巧緻密、謹直でより厳しさを増した作風が魅力である。本作も全身から百獣の王たる風格を漂わせている。菊岡光政は、菊岡流始祖光行の実弟。兄と共に柳川直光に学び、独立した後も兄光行に協力し、菊岡派の隆盛に尽力した名工である。 |
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