瓢鯰図小柄
銘 程乗花押

江戸時代初期 山城国京都

赤銅魚子地高彫色絵裏板金削継
長さ:96.5mm 幅:14.5mm
上製落込桐箱入

特別保存刀装具鑑定書
価格450,000円(消費税込)

 「すべすべした瓢箪でぬるぬるした鮎(鯰)を抑え捕らえることができるか」足利幕府四代将軍義持による禅の公案である。横長の画面の中を悠然と泳ぐ鯰と付き従うように漂う瓢箪。「瓢鯰図」であることに違いないが、よくある人物が瓢箪で鯰を押さえつけようとしているものとは一味違う。さんざん問答を楽しんだ祭りの後の余韻とでもいうのか。笑んだように薄く口を開けた鯰が面白い。水流に呼応するような鯰の曲線。さらに鯰の形態をなぞるかのような瓢箪。繰り返し主題が見え隠れする音楽的な構成である。後藤家といえば上質の赤銅を魚子地仕立てにした高彫が身上だが、本作は特に魚子地と高彫表現のツルリヌルリとした質感の対比が際立って活きている。黒と金の視覚効果も鮮やかで、裏を削げ継としたところが心憎いばかりに洒落ている。後藤宗家九代目程乗は宗家七代顕乗の嫡子で、分家である理兵衛家の二代を相続したのち、宗家八代目即乗が若くして亡くなったことにより九代目の当主となった。程乗はまた、伯父である分家の後藤覚乗の勧誘で加賀前田家に仕え加賀金工の指導にあたった。彼が優れた金工であることは作品を見れば一目瞭然だが、生来の武将であり風変わりな反骨精神と鋭い洞察力で徳川家と対峙した加賀百万石の二代藩主利常から誠実で温厚な人柄を見込まれ厚遇された。その利常が世を去ると程乗は禄を辞し京都へ帰った。その後、寛文七年(1667年)徳川幕府に仕え、法橋の位に進んだ。
瓢鯰図小柄 銘 程乗花押

瓢鯰図小柄 銘 程乗花押

瓢鯰図小柄 銘 程乗花押

瓢鯰図小柄 銘 程乗花押

瓢鯰図小柄 銘 程乗花押

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