雲龍図鍔(鐔) |
江戸時代後期 山城国京都 |
ピリッと引き締まった小振り肉厚の鉄地は安定感のある障泥形。軽快な鏨使いで湧き立つ雲を耳にまで密に彫り込んでいる。雲を掻き分けるように天翔る金色の龍。大きく開いた口、鋭い爪は小さくても迫力満点である。佐藤義照は文政十一年京都の生まれ。荒木東明に学び、後に佐藤東峰の弟子となって修行し、二十四歳の時佐藤家の女婿となった。佐藤家は伏見宮家へ出入りして帯刀を許されている家柄であり、義照は孝明天皇の太刀の彫刻を拝命し製作した功績がある。本作は幕末の動乱期、慶應三年陰暦三月(姑洗望)に製作された小さ刀拵用の鐔である。 |
Copy Right(c) Ginza Choshuya Co&Ltd reserved |