野鯉図笄 |
江戸時代後期 赤銅魚子地高彫色絵裏板金哺 |
後藤宗家十五代光美は先代光守の嫡子で安永九年の生まれ。文化元年に家督を相続、天保六年に隠居するまでの三十一年間に亘って幕府の御用を勤めた武家金工。後藤家の伝統を守ると同時に、雅な風物や自然に取材した作品にも挑んでいる。魚など水辺の生き物に目を向けたのもその一つ。赤銅魚子地を高彫とし、水面の動きはわずかに筋立てた銀の線描写で、ゆったりと泳ぐその様子を高肉に彫り出し、繊細な毛彫と金色絵を加えている。厚手の金哺も色が鮮やか。 |
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