破れ扇散図透鍔(鐔)
無銘 林


江戸時代後期
肥後国

鉄地竪丸形地透
縦:76.8mm 横:73.2mm
切羽台厚さ:5.2mm
耳際厚さ:5mm
上製桐箱入



保存刀装具鑑定書
(無銘 林)
ご成約を賜りました

 緻密に鍛えられた精良な地鉄を竪丸形に造り込み、小判形の切羽台を囲んで旋回するように散し置かれた扇。 あるものは破れ、半ば骨が見えている。水に流れゆく扇を表現した「扇流し」または「破れ扇」を表したもの。「扇流し」は足利尊氏が天龍寺に参詣した際、お供の童子が誤って渡月橋の上から扇を落としたことから始まった遊びだという。扇が風に舞い水面に落ちて流れてゆく。漂い流れて変化し、やがて失われていく姿に無常と美しさを見出した破れ扇図を丁寧な彫口で透かし表している。肥後林派の又七より数えて三代目の藤八の時代の作である。
破れ扇散図透鍔(鐔) 無銘 林

扇散図透鍔(鐔) 無銘 林

扇散図透鍔(鐔) 無銘 林

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