鶴丸透鍔(鐔)
無銘 林藤八 |
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祖父林又七を規範にした三代目藤八の作。大きさといい形状といい愛らしいという形容がぴったりの鐔である。広げた翼に透かしを施さない揚羽鶴と呼称されるこの造りは黒々とした強靭な鉄味を存分に堪能できる。耳の際ぎりぎりでなだらかに肉を落とし、切れ込みを入れた翼はゆったりとした柔らかな表情を生み出し、雫形の腕抜穴が新鮮。嘴や首の消え入りそうに幽かな毛彫、これ以上ないくらい小さな点で表された目も何とも言えず奥床しい。掌にすっぽりと収まる小さな鐔だが量感があり林派の美点が凝縮されている。起雲洞と号する数寄者の蔵品で桐製の外箱に収められた古い蒔絵の鐔箱が添えられている。
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