越中国 永正頃
刃長 九寸三分
内反り僅少
元幅 八分一厘
重ね 一分八厘
金着一重ハバキ 上製白鞘入
昭和三十一年岡山県登録
特別保存刀剣
(室町時代後期)
(Item number: 1777)
Ecchu province
Around A.D.1504-1521 (Eisho era, late Muromachi period)
Hacho (Edge length) : 28.18 cm
Slightly curved inward
Moto-haba (Width at Ha-machi) : Approx. 2.45 cm
Kasane (Thickness) : Approx. 0.55 cm
Gold-foiled single Habaki
Shirasaya
Tokubetsu-Hozon
(late Muromachi period)
宇多國久は越中国の刀工(注①)。南北朝期の國房の子と伝える左衛門三郎國久には殊に優れた作がある。時代が降って宝徳、文明、永正、天文、弘治の各代の國久も守護畠山氏など北陸の有力武将の為に作刀している。
この短刀は永正の國久の作とみられる一口。身幅重ね充分で僅かに内に反って寸が延びた颯爽たる姿。地鉄は板目に杢、刃寄りに柾を交えて強く錬れ、太い地景が入り、つぶらな地沸が厚く付いた中に起ち現れた肌模様は大樹の断面を想わせて美しく、刃寄り黒く澄んで白く沸(にえ)映(うつ)りが立ち、総体の鉄色は晴れやか。細直刃の刃文は微かに揺れ、純白の小沸が付いた刃縁は締まってきっぱりと冴え、匂で澄んだ刃中には小足が無数に入る。帽子は焼を充分に残し、突き上げて小丸、長めに返る。保存状態が良好な茎は錆色が落ち着き、飄逸な鑚使いながら入念に刻された「宇多國久」の四字銘に真摯な人柄が滲んでいる。高位の武将の腰間にあった作で、同時代の相州物、備前物は勿論、応永國久にも遜色のない優品となっている。(商品番号1777)
注①… 『日本刀銘鑑』によれば現在の富山県西砺波郡福岡町三日町字宇多とされる。