鎧通し短刀
銘 藤嶋友重

Tanto (Yoroi-doshi)
Signed. Fujishima TOMOSHIGE

加賀国 明応頃

刃長 六寸九分三厘
内反り僅少
元幅 六分六厘
重ね二分

金着一重ハバキ 白鞘入

昭和二十六年東京都登録

特別保存刀剣
750,000 円

(Item number: 1772)
Kaga province
Around A.D.1492-1501 (Meio era, late Muromachi period)

Hacho (Edge length) : 21.00 cm
Slightly curved inward
Moto-haba (Width at Ha-machi) : Approx. 2.00 cm
Kasane (Thickness) : Approx. 0.61 cm

Gold-foiled single Habaki
Shirasaya

Tokubetsu-Hozon
750,000 JPY

 鎧通しは、戦国武将が、組み伏せた敵将の鎧の間隙を突くべく腰に備えた短刀。身幅控えめな割りに重ねがやや厚く、内反りが付いてふくらの枯れた鋭利な姿に特色がある。戦陣に立つ武将と共にあった鎧通しは戦国時代の厳しさを今に伝える武器で、その愛玩者は多い。
 表題の短刀こそ鎧通し短刀の典型で、作者は藤嶋友重。友重は南北朝期頃に越前から加賀へ来住した古鍛冶(注①)の名跡である。製作の時代は室町時代中期の明応頃で、内反りが付いてふくらが枯れ、刺突に長けた鋭利な造り込み。地鉄は板目肌が淡く黒みを帯び、太い地景が入って肌起ち、地沸が厚く付き、刃寄りに直調の映りが立つ。刃文は尖りごころの互の目乱。密集した沸の粒子が光を反射し、焼の谷から足が射し、刃中も沸付いて一際明るく冴える。帽子は焼を充分に残し、乱れ込んで長めに返る。茎はやや長めに仕立てられて掌への収まりに優れ、刃方へ強く上がる片削ぎ風の加州茎の先駆をなし、銘字は右から左へ切られる逆鑚(さかたがね)が顕著な独特の書体。本作を右腰に備えて(注②)決戦に臨む戦国武将の雄姿を彷彿とさせ、出来も優れている。(商品番号1772)

注①…最古の年紀作は応永二年正月廿二日(『日本刀工辞典』)。因みに熱田神宮蔵の友重在銘の太刀(重美)はさらに古く、製作は鎌倉末期とされている。
注②…馬手指(めてざし)。組み合った際、手を左腰に回さずにそのまま逆手に持って抜刀することができる。