山城国京都
江戸後期
拵全長 一尺五寸二分
鞘長 一尺一寸
柄長 四寸一分
刃長 約九寸三分
反り僅少
元幅 約九分
茎長 約三寸八分
(刀身はありません)
特別保存刀装
(Item number: 1751)
Yamashiro province
Late Edo period
Whole length : 46.06 cm
Scabbard length : Approx. 33.33 cm
Hilt length : Approx. 12.42 cm
Hacho (Edge length) : Approx. 28.18 cm
A little curvature
Moto-haba (Width at Ha-machi) : Approx. 2.73 cm
Nakago length : Approx. 1.51 cm
(This koshirae has no sword)
Tokubetsu-Hozon
加茂明祥は井上姓で代々が加茂神社(下鴨神社)の社家の出と伝え(『金工事典』)、天保四年の生まれ。同時代の京都では後藤一乗一門が精密な高彫表現で活躍しており、それらの影響を受けたものであろう金工への興味を深め、神職の傍ら荒木東明に学んで彫金の修業に励み、写実的な高彫からなる植物図を得意とし、一乗風の品位の高い多くの作品を遺している(注)。
九寸三分ほどの寸延短刀が収められていたこの拵は、鐔を備えて切鐺とされた小さ刀拵の造り込み。吉祥のしるしとも言われる瑞雲を題に得て、鐔、縁頭、小柄、瓦金、鐺を一作物とし、この雲間を飛翔する鶴を目貫として添えた、加茂明祥の美しい総金具になる拵。細やかに揃った赤銅魚子地を高彫とし、一切の色金を用いない深みのある漆黒金具で澄明な空気のありようを表現している。金襴を着せた柄に黒糸で巻き込まれている舞鶴図目貫は、銀を割り込んだ金無垢で、銀の渋い色合いが所々に窺える出来。古典的で静かな動きがある総金具の瑞雲と、天上を舞い踊るような鶴の躍動的な姿が見事に調和した作となっている。(商品番号1751)
注…明治二年に宮中の御用で菊紋の太刀と短刀を調達している。