短刀
銘 来國俊
(大業物)

Tanto
Signed. Rai KUNITOSHI
(O Wazamono)

山城国 鎌倉後期文保頃

刃長 七寸六分八厘強
内反り僅少
元幅 六分五厘
重ね 一分七厘

上蓋金無垢下蓋金着二重ハバキ
白鞘付

金唐革塗鞘小さ刀拵入
 拵全長 一尺六寸
 柄長三寸九分

附延宝七年本阿彌光常折紙「代百五拾貫」

昭和四十四年東京都登録

重要

(Item number: 1746)
Yamashiro province
Around A.D.1317-1319 (Bunpo era, late Kamakura period)

Hacho (Edge length) : 23.27 cm
Slightly curved inward
Moto-haba (Width at Ha-machi) : Approx. 1.97 cm
Kasane (Thickness) : Approx. 0.52 cm

Double habaki, the upper sleeve pure gold and the lower sleeve gold-foiled
Shirasaya

Kin kara-kawa nuri saya, chisa-gatana koshirae
 Whole length : Approx. 48.48 cm
 Hilt length : Approx.11.82 cm

Hon'ami Kojo Origami "Valued at 150 kan."

Juyo

 来國俊は鎌倉後期の山城国の刀工。太刀の他、短刀に佳品が多く、護摩箸の彫のある直刃の短刀(黒川古文化研究所蔵 国宝)、正和五年十一月日紀の直刃の短刀(熱田神宮蔵 国宝)、文保二年三月紀の源来國俊銘の乱刃の短刀(重美)に代表される名品が知られ、京粟田口吉光、相州の新藤五國光等と共に短刀の名手に数えられている。  表題の短刀も来國俊の特徴と優質が顕著に示された逸品。棟を真に仕立て、僅かに内反りが付いてふくらの枯れた端正で上品な姿。微塵に詰んだ小板目鍛えの地鉄は、来物の特徴でもある板目、僅かに流れごころの肌を交え、肌目に沿って地景(ちけい)が密に入り、微塵に付いた地沸が精美に輝き、濃淡変化に富んでしかも鮮明な沸映りが起ち、気の流れを想わせる自然な景色を成す(注)。直刃の刃文は、國俊らしく刃区がごく自然に焼き込まれ、淡雪のような沸で刃縁が明るく、匂で澄んだ刃中には小形の金線、砂流し、沸筋が掛かり、喰い違いごころの刃が交じってここも変化に富む。鋒の焼を充分に残した帽子は、ふくら辺りの二重刃から鋒に向かって立ち上がり、先端が小丸に長く返って富嶽を想わせる國俊らしい品の良い形となる。錆色濃い茎に細鑚で刻された三字銘は鑚の線が清く澄み、文保二年の短刀の銘字に近似している。七百年余の月日を経て尚毅然たる、面差しの健在な一口である。  金箔と渦巻状の漆塗で金唐革風の鞘とした拵は、桐鳳凰図の揃金具、耳に五三桐紋を散らした赤銅魚子地鐔、雲龍図目貫と小柄、笄の三所物で装われた、名短刀を収めるに相応しい重厚華麗な作となっている。(商品番号1746)

注…重要刀剣の説明図譜には「地沸映りも一段と濃く現れている作が注目される作品で、総体に出来がすぐれている」と特筆されている。