銘 備州長舩清光
天文十六年二月日

Katana
Signed. Bishu Osafune KITOMITSU
Tenbun 16 nen 2 gatsujitsu

備前国 天文十六

刃長 二尺二寸七分
反り 六分六厘
元幅 一寸八厘
先幅 七分六厘
棟重ね 一分九厘
鎬重ね 二分九厘半

金着二重ハバキ 白鞘入

昭和三十四年広島県登録

特別保存刀剣
1,400,000 円

(Item number: 1026)
Bizen province
A.D.1547 (Tenbun 16, Muromachi period)

Hacho (Edge length) : 68.78 cm
Sori (Curvature) : Approx. 2.00 cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) : Approx. 3.27 cm
Saki-haba (Width at Kissaki) : Approx. 2.30 cm
Mune-Kasane (Thickness) : Approx. 0.58 cm
Shinogi-Kasane (Thickness) : Approx. 0.88 cm

Gold-foiled double habaki
Shirasaya

Tokubetsu-Hozon
1,400,000 JPY

 室町末期天文頃の備前では、五郎左衛門尉を棟梁とする清光一門の活躍が目覚ましい。増大する需要を受けて多くの職人を集め、優れた切れ味と激しい打ち合いにも耐える頑強な刀の技術で応え、高い信用を得ていた。だが、一刀工と戦国武将の交流は単に武器の受注関係にとどまらず、播磨国龍野城主であった赤松政秀は五郎左衛門尉清光を招き、城下で作刀させているだけでなく自らも作刀に関わっている(注)。まさに戦国武将の美意識の萌芽と言えよう。
 この刀は、俗名こそないが、五郎左衛門尉清光一門の手によって鍛造された一口。適度な寸法とされてバランス良く反り、身幅広く先幅も広めに鋒が延びごころ、鎬が張って重ねが厚く、刃先の肉が削がれて一際鋭利な印象。板目鍛えの地鉄は、片面の柾気が強く肌起ち、全面に地沸が付いた上に激しく乱れた鮮やかな映りが加わり、刃寄りに暗帯部を伴って焼刃になだれ込むような景色を生み出している。刃文は清光一門の得意とした浅い湾れを伴う直刃で、帽子も清光に特徴的な焼崩れを伴って先小丸に返り、刀身中ほどまで浅く棟焼を施している。匂口の締まった焼刃は、二重刃風の匂の帯、刃境の金線、稲妻、ほつれ、刃中の小足、葉、物打辺りは殊に乱れが強まって湯走りを伴い、わずかに沸付き、喰い違い、砂流しが働き合い、ここも清光の特色が顕著。刃中は匂が敷き詰められて明るく澄み冴える。生ぶの茎には、五郎左衛門尉に似た銘が刻されている。(商品番号1026)

注… 五郎左衛門尉清光は、天文二十二年四月から同二十四年八月まで龍野城下で作刀している。この間に政秀の注文打ちのほか重臣の為打ちも遺している。