美濃国 南北朝中期応安頃
刃長 二尺三寸四分九厘
反り 五分六厘
元幅 八分九厘
先幅 五分七厘
棟重ね 二分
鎬重ね二分二厘
彫刻 表裏 棒樋掻通し
金着二重ハバキ 白鞘入
平成二十七年新潟県登録
特別保存刀剣(兼延)
900,000 円
(Item number: 1729)
Mino province
Around A.D.1368-1375 (Oan era, Nanboku-cho period)
Hacho (Edge length) : 71.17 cm
Sori (Curvature) : Approx. 1.70 cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) : Approx. 2.70 cm
Saki-haba (Width at Kissaki) : Approx. 1.73 cm
Mune-Kasane (Thickness) : Approx. 0.61 cm
Shinogi-Kasane (Thickness) : Approx.0.67 cm
Horimono (Carving) : OmoteUra "Bo-hi" Kaki-toshi
Gold-foiled double habaki
Shirasaya
Tokubetsu-Hozon (Kanenobu)
900,000 JPY
『太平記』や『明徳記』を紐解くと、武士は五尺にもなる大太刀を帯び、更に二尺六、七寸から三尺の太刀(注)も佩用した様子が描き出されている。大太刀を引き抜いて人馬もろとも薙ぎ払い、接近戦に臨んでは太刀を手に一対一の決戦に及んだことがわかる。それら長寸の太刀の多くは、後に操作性に富んだ刀とするべく銘が残らぬ程に短くされ、大磨上無銘の刀として伝来している。
この刀は南北朝期の二尺六、七寸の太刀の大磨上無銘の典型。棟を真に造り、身幅重ね尋常で、棒樋が掻き通しとされ、輪反り高く中鋒の伸びやかな姿。板目鍛えの地鉄は、杢目肌、流れごころの肌を交え、太い地景が入って強く肌起ち、地沸が厚く付いて沸映りが立つ。刃文は浅い湾れに互の目、尖りごころの刃を交え、帽子は強く掃き掛けて焼詰めごころに浅く返る。匂主調の焼刃は、銀砂のような沸が厚く付いて湯走りを形成、刃境には金線、砂流し、沸筋が激しく掛かって層をなし、刃中も沸付いて総体に明るい地刃となる。刃文に尖った刃が目立つ故であろう、南北朝時代の直江志津兼延として鑑定書が付されているが、杢交じりのうねるような板目肌は正宗の兄弟弟子則重の松皮肌を想わせ、盛んに働く刃境の様子は相州伝の特色が顕著で出来も上々。丁寧な磨上の様子から、江戸時代には相州上工の作として高位の武家にて蔵刀されたものと推考される。力強い地刃の働きが堪能できる一刀である。(商品番号1729)
注…『太平記』ではこれらを「小太刀」としている。