脇差
銘 備州長舩法光
長禄四年八月日
(業物)

Wakizashi
Signed. Bishu Osafune NORIMITSU
Choroku 4 nen 8 gatsujitsu
(Wazamono)

備前国 長禄四

刃長 一尺七寸六分五厘
反り 四分
元幅 九分二厘
先幅 六分
棟重ね 二分四厘
鎬重ね 二分八厘
彫刻 表 二筋樋 裏 棒樋丸止

上製金着二重ハバキ 白鞘入

平成二十五年埼玉県登録

特別保存刀剣
1,100,000 円

(Item number: 1724)
Bizen province
A.D.1460 (Choroku4, Muromachi period)

Hacho (Edge length) : 53.48 cm
Sori (Curvature) : Approx. 1.21 cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) : Approx. 2.79 cm
Saki-haba (Width at Kissaki) : Approx. 1.82 cm
Mune-Kasane (Thickness) : Approx. 0.73 cm
Shinogi-Kasane (Thickness) : Approx. 0.85 cm
Horimono (Carving) :
 Omote "2 suji-hi"
 Ura "Bo-hi" maru-dome
 
Gold-foiled double habaki
Shirasaya

Tokubetsu-Hozon
1,100,000 JPY

 我が国独自の芸術の発達でも知られているように、室町時代初期の政治的な安定は、一方では武士の権力構造に変化をもたらす要因を秘めていた。その恐れが現実のものとなり、室町幕府の機能の低下によって戦が勃発、京を塵芥に化し、火種を全国に広げたのが応仁の乱であった。
 この法光の脇差は太刀の添え差しとされたもので、一尺八寸ほどの腰反り深い小太刀の造り込み。棟と鎬が極端に厚く、平肉も付いて相手の刃を受けるに充分な構造。表に二筋樋、裏には鎬筋上に細い棒樋を掻いて引き締まった姿形としている。杢目を交えた板目鍛えの地鉄は一部流れ、地沸に地景が淡く浮かんで精良味があり、焼刃に接するように乱れ映りが現れて一段と古風。腰開互の目に小丁子を交えた刃文は、刃境が複雑に出入りして変化に富み、映りに感応した匂の広がりは圧巻。刃中は透明に澄んで小足が入り、帽子も深く乱れ込んで先尖りごころに返り、総体に応永備前物を想わせる。棟焼も区上まで施され、守りの要とされている。茎下部には控え目釘穴が設けられており、激しい打ち合いに備えた作であることが判る。
 武器製造において歴史の古い備前刀工は、この時代に脇差の寸法ながら打刀の威力をも秘めた頑強な作を遺している。本作の法光は、岡山の吉備津神社蔵七尺三寸を超す文安四年紀の大太刀の作者でも知られているように、高度な技術を保持した同時代の備前を代表する一人。大乱へと静かに進みつつある世情を読み取った武士が、信頼のおける法光に依頼したものであろう。
(商品番号1724)