山城国 慶長頃
刃長 八寸九分七厘
反り 三厘
元幅 八分三厘
重ね 一分四厘
金着二重ハバキ 白鞘入
令和二年東京都登録
特別保存刀剣
(堀川)
800,000 円
(Item number: 1713)
Yamashiro province
Around A.D.1596-1615 (Keicho era, Edo period)
Hacho (Edge length) : 27.18 cm
Sori (Curvature) : Approx. 0.1cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) : Approx. 2.51 cm
Kasane (Thickness) : Approx. 0.42 cm
Gold-foiled double Habaki
Shirasaya
Tokubetsu-Hozon
(Horikawa school)
800,000 JPY
堀川國廣の門人國盛の遺作は極めて少なく、『國廣大鑑』の著者佐藤寒山博士ですら実見した作は僅かに三口に留まり、加えて『新刀鍛冶綱領』に刀絵図のある短刀一口の計四口を知るのみとしている(注①)。自作が稀なのは國盛が師國廣に信認された代作代銘者であった故で、國盛が手掛けた國廣の作が少なくないことがその証である(注②)。
表題の短刀は、確認されている國盛の第五作目の、抜群に出来の優れた一口。身幅と重ねを控えめに僅かに反りのある、端正ながら用を極めた凄みのある姿。鍛着が密な小杢目鍛えの地鉄は縮緬状の肌が交じって詰み、細かな網状の地景で奇麗に肌立ち、全面に細かな地沸が湧くとともに刃区付近から水影を伴う沸映りが現れて鋼ながら透き通るような美しさ。浅い湾れに互の目を交えた刃文は、物打辺りに地に突き入るような尖りごころの刃が配され、帽子は浅く乱れ込んで小丸に返り、長めに焼き下がる。純白の沸の粒子が密集した刃縁は締まりごころとなって明るく、小足が盛んに入り、刃中は匂で澄み冴える。茎には國廣と同じ大筋違鑢が掛けられ、神妙に刻された銘字は鑚がやや太く、國の第二画が肩落ち形となり、國廣の慶長七年頃の銘形に似ている。特別の需で村正を範に精鍛された一口であろうか。現存稀有の國盛の傑作である。
(商品番号1713)
注①…『堀川國廣とその弟子』。「洛陽堀川住藤原國盛」の刀が第十九回重要刀剣指定。
注②…『國廣大鑑』では「洛陽住信濃守國廣」の刀、慶長十五稔二月日紀の「洛陽一条住信濃守藤原國廣造」の刀が國盛の代作代銘と記されている。