備前国 文亀
刃長 二尺三寸八分二厘
反り 九分八厘
元幅 九分七厘
先幅 五分五厘
棟重ね 一分九厘強
鎬重ね 二分一厘
金着二重ハバキ 白鞘入
昭和二十六年大阪府登録
特別保存刀剣
Bizen province
Bunki era (A.D.1501-1504, Muromachi period)
Hacho (Edge length) : 72.17 cm
Sori (Curvature) : Approx. 2.97 cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) : Approx. 2.94 cm
Saki-haba (Width at Kissaki) : Approx. 1.67 cm
Mune-Kasane (Thickness) : Apporx. 0.58 cm
Shinogi-Kasane (Thickness) : Apporx. 0.64 cm
Gold-foiled double habaki
Shirasaya
Tokubetsu-Hozon
長舩忠光は室町中期の備前刀工。文明の彦兵衛初代、修理亮、長享の彦兵衛二代、彦兵衛の子で彫の名手平右衛門等を擁し、勝光や宗光と共に備前、播磨、美作の守護赤松氏に仕えた。覇気に満ちた乱刃を得意とした勝光に対し、忠光は匂口の明るい端正な直刃を能くし、戦国期の備前刀を代表する優工として名高い。
表題の刀は高位の武士が太刀として佩用したものであろう、腰反りが高く、中鋒が慎ましく造り込まれた伸びやかで美しい姿。板目に杢を交えた地鉄は、刃寄りに柾を配して詰み澄み、躍動的な地景が入り、地沸が厚く付いて淡い湯走りと地斑風の肌が働き合い、乱れ映りが立つ。この変化に富んだ地鉄の様子は、鍛錬と焼入れに向かう忠光の苦心の姿を想起させよう。直刃の刃文は、小沸が付いて匂口が明るく、刃境に湯走りが掛かり、沸筋が流れて処々二重刃風となり、匂が立ち込めて水色に澄む刃中に小足と飛足風の葉が無数に働く様相は常にも増して古調。帽子は端正な小丸。茎は僅かに区送りながら殆ど生ぶで、備州銘が入念に刻されている。特別の需に応え、鎌倉時代の来國俊や備前長光を念頭に精鍛された作とみられ、直刃の名手忠光の世評通りの優品となっている(注)。
注…忠光には俗名が刻された作は少なく、加えて備州銘の作も多い。藤代版『日本刀工辞典』の忠光彦兵衛二代の項にも「俗名なき作にも良作を見る」とある。