山城国 鎌倉後期正和頃
刃長 二尺三寸二分四厘
反り 四分五厘
元幅 一寸三厘
先幅 七分二厘
棟重ね 二分
鎬重ね 二分三厘
彫刻 表裏 棒樋掻流し
金着二重ハバキ 白鞘入
金沃懸地塗葵紋蒔絵鞘打刀拵入
拵全長 三尺二寸
柄長 七寸一分
本阿彌光勇折紙「代金子拾五枚」
本阿彌日洲師鞘書
昭和六十二年東京都登録
重要刀剣
8,500,000 円
Yamashiro province
Showa era (A.D. 1312-1317, late Kamakura period)
Hacho (Edge length) : 70.4cm
Sori (Curvature) : Approx. 1.36cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) : Approx. 3.12cm
Saki-haba (Width at Kissaki) : Approx. 2.18cm
Kasane (Thickness) : Approx. 0.7cm
Engraving : "Bo-hi" kaki-nagashi on the both sides
Gold foil double Habaki
Wooden case (Shirasaya)
Kin ikake-ji nuri "Aoi" mon nuri makie saya,
uchigatana koshirae
Whole length : Approx. 97cm
Hilt length : Approx. 21.5cm
An Origami, issued by Master Honami Koyu
"As payment, fifteen gold coins"
Calligraphy on the wooden case (Shirasaya),
written by Master Honami Nisshu
Juyo
8,500,000 JPY
来國真(らい くにざね)は『古今銘盡』に山城国の名工来國俊の子とあり、来國光や國次等と共に國俊の後継者として鎚を振るった刀工。初期には来國俊に近似した直刃調に小互の目の作を手掛けたが、その鍛刀生涯の後期には國光や國次同様、相州伝の鍛法を採り入れたものであろう、伊勢徴古館蔵の二尺三寸五分の太刀、徳川黎明会蔵の八寸二分の短刀、東京国立博物館蔵の一尺二寸七分の脇差等の在銘作は長谷部国重や國信風の皆焼出来である。
この刀は、父國俊、兄國光に見紛うような、山城伝の作域が示された雄刀。元来二尺六寸を超える太刀の大磨上で、身幅が広く重ねも厚く、中鋒延びごころとなった力感漲る姿に山城物特有の雄大な輪反りの名残を留めている。板目鍛えの地鉄は地景が濃密に入って肌目が鮮やかに現れ、地沸が厚く付き、平地全面に濃淡変化のある沸映りが鮮明に立ち、処々地斑風の肌を交えて美しいだけでなく精強にして潤い感に満ちている。中直刃の刃文は小互の目を交え、刃縁に付いた明るい沸は、下半が匂口締まりごころ、中程より鋒にかけては一段と強く厚く沸付き、刃境に湯走り、金線、砂流しが掛かり、匂立ち込めて澄み冴える刃中には沸筋が流れ、足が盛んに入る。帽子は焼深く沸付き、小丸に返る。大磨上の茎は切鑢で丁寧に仕立てられ、「来國真」の金象嵌銘が鮮明。来派の特色(注)を捉えた本阿彌本家十四代光勇によって「来國真」と極められ、金十五枚の代付がなされた、名家伝来の優品である。
付帯する拵は、精美な金沃懸地塗鞘に徳川家の三つ葉葵紋が表裏に蒔絵された豪華な造り込み。柄は卯花色糸で固く巻き絞められて上品である。
注…重要刀剣の説明図譜では「地刃に来一派の特色がよく示されており…」と特記されている。