備前国 室町初期応永頃
刃長 一尺六寸五分三厘
反り 三分九厘
元幅 六分九厘
先幅 五分八厘
棟重ね 一分八厘
鎬重ね 一分九厘
金着二重ハバキ 白鞘入
佐藤寒山博士鞘書「酒井家伝来」
本阿弥長根添状「金弐拾五枚」
平成二十四年東京都登録
特別保存(長船)
Bizen province
Oei era (A.D. 1394-1427, early Muromachi period)
Hacho (Edge length) : 50.1cm
Sori (Curvature) : Approx. 1.18cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) : Approx. 2.09cm
Saki-haba (Width at Kissaki) : Approx. 1.76cm
Kasane (Thickness) : Approx. 0.58cm
Gold foil double Habaki
Calligraphy on the wooden case (Shirasaya),
written by Dr. Sato Kanzan
"Handed down from the Sakai family"
Document(Soe-jo) by Master Honami Nagane
"worth the value of 25 gold coins”
Tokubetsu-Hozon
(Osafune)
康光は室町時代初期応永頃の備前の刀工。鎌倉時代の一文字や、長舩光忠、長光などを範に独創を加味し、直調の映りが奇麗な応永杢の地鉄に華やかな乱刃や端正な直刃出来の作を手掛け、盛光と共に応永備前を代表する刀工として史上にその名を遺している。
この脇差は身幅重ね充分で、腰反りの付いた中鋒の小太刀を想わせる優美な姿。板目に杢目を交えた鉄色の明るい地鉄は、肌目に沿って地景が入り、小粒の地沸が厚く付いて鎬寄りに乱れごころの映りが立つ。互の目丁子の刃文は、腰開きごころの刃、片落ち風の刃を交えて広狭高低に乱れ、新雪のような小沸が柔らかく降り積もって刃縁が明るく、粒子の細かい沸が充満して光を強く反射する照度の高い刃中には足と葉が盛んに入り、小形の金線が僅かに掛かる。帽子は焼を充分に残し、鮮やかに乱れ込んで小丸に返り、差裏の先端がわずかに尖って応永備前らしい形となる特色も顕著。ごくわずかに区が送られた茎には太鑚の二字銘が神妙に刻されている。本阿弥長根(ほんあみ ながね)の(注)「金弐拾五枚仕るべく候 宜しき御道具に御座候」との添状が附されている。典型作でしかも出来が優れ、佐藤寒山博士の「酒井家伝来」の鞘書通りの品格ある大名道具である。
注…『光山押形』を残した光山の四代孫。享保名物帳の由来を詳述した『名物剣集』の著者。添状の裏には「寛政十一年未」との墨書がある。