銘 二王清平作
Katana: Nio KIYOHIRA saku

周防国 永禄頃 約四百六十年前

刃長 二尺二寸六分
反り 五分三厘
元幅 九分九厘
先幅 六分九厘
棟重ね 一分六厘半
鎬重ね 二分一厘半
金着二重ハバキ 白鞘入

昭和四十八年広島県登録

特別保存刀剣鑑定書(時代室町後期)
百二十万円(消費税込)

Suo province
Eiroku era(A.D.1558-1569, late Muromachi period)
about 460 years ago

Ha-cho (Edge length) 68.5cm
Sori (Curvature) approx. 1.61cm
Moto-haba (width at Ha-machi) approx. 3cm
Saki-haba (width at Kissaki) approx. 2.09cm
Kasane (thickness) approx. 0.65cm
Gold foil double Habaki
Wooden case (Shirasaya)

Tokubetsu-Hozon certificate by NBTHK
(late Muromachi period)
Price 1,200,000 JPY

 二王派は鎌倉時代中期文永頃の清綱に始まり、以降代を重ねて江戸時代にまで至る。清綱の門流には清貞、清久、清光、清長、清永、清重など清を冠した刀工がおり、この清平もその一人で主活躍期は室町後期の永禄頃である(注)。因みに、初代清綱の祖父に当たるのが清平とされるも、確実な作品はない。
 この刀は、元先の身幅が尋常に腰反りが付いた伸びやかな太刀姿で、鎬が張って頑強な印象の戦国武将好みの一振。茎の下端部に控え目釘を設けて、激しい打ち合いにも耐える構造とされている。小杢目鍛えの地鉄は微塵に詰んで細やかな地沸で覆われ、焼出し映りから上身に行くに従って鎬寄りに指で圧したような斑状の映りが点在し、焼刃から煙り込むような仁王の箆影(におうのへらかげ)の呼称を印象付ける景色となっている。区辺りに焼込みを設けた直刃調の刃文は、全体に小互の目を配して物打辺りが小模様に乱れ、帽子は浅く乱れ込んで先小丸に浅く返る。匂主調の焼刃は、所々に細かな沸を配して匂口が締まって明るく冴え、匂で透明感のある刃中には小足が無数に入るのみならず、地側にも働き掛かり、殊に物打あたりの景色は闊達。二王派独特の茎仕立てに、室町後期に特徴的な字間を空けた細鑚の銘が刻されている。

注…『日本刀大百科事典』。
刀 銘 二王清平作
刀 銘 二王清平作 差表
刀 銘 二王清平 差裏
刀 銘 二王清平作 ハバキ
清平押形