山城国 正保頃 約三百八十年前
刃長 二尺四寸二分七厘
反り 四分六厘
元幅 一寸三厘半
先幅 六分八厘半
重ね 二分五厘
金着二重ハバキ 白鞘入
昭和四十四年大分県登録
特別保存刀剣鑑定書(二代)
Yamashiro province
Shoho era(A.D.1644-1647, early Edo period)
About 380 years ago
Ha-cho (Edge length) 73.5cm
Sori (Curvature) approx. 1.39cm
Moto-haba (width at Ha-machi) approx. 3.14cm
Saki-haba (width at Kissaki) approx. 2.08cm
Kasane (thickness) approx. 0.76cm
Gold foil double Habaki
Wooden case (Shirasaya)
Tokubetsu-Hozon certificate by NBTHK
(the 2nd generation)
二代伊賀守金道は、初代金道の嫡男にて姓名を三品勘兵衛という。寛永六年に初代が没して八年後の寛永十四年九月十六日に朝廷より正式に伊賀守を受領、同時に十六葉の菊紋と、初代が家康の奏請により勅許された「日本鍛冶惣匠」の称号を茎に刻す。この鍛冶惣匠の特権と地位は、慶長十九年の大坂冬の陣に先駆けて家康の命により百日で千振りの刀を打ち上げた初代の功績によって得たものであるが、これを銘に切り添えたのは二代以降で、三代は惣匠を後に宗匠と切っており、四代以降はすべて宗匠である。
二代金道のこの刀は、寸法長く身幅が広く、重ねも厚めに反りを控えた、延びやかな印象の寛永新刀体配。鎬地柾目、平地小板目鍛えの地鉄は所々に杢目肌を交えて緻密に詰み、全面に地沸が吹き上がって鉄色が明るく冴え、地底に働く地景が活力を与えている。長い焼出しから始まる湾れと互の目の複合からなる刃文は、焼頭に尖りごころと角状の刃を交えて相州古伝の特徴を示し、焼の深さが抑揚変化するも帽子は綺麗な小丸に返る。沸が強く意識された焼刃は地中に淡い湯走り状に広がる小沸匂で明るく、刃中には太い沸筋が金線を伴って層状に蠢き、刃中の匂に砂流しが働いて鮮やかに輝く。初代の得意とした志津風が見事に踏襲された一振りとなっている。茎の表に朝廷より賜った個性的な菊紋と七文字が、裏面には日本鍛冶惣匠の文字が鑚深く刻されている。