短刀
銘 備前國住長舩三郎兵衛尉永光 享禄五年二月吉日
於防州作之 臨兵闘者皆陣列在前命

Tanto
Bizen no kuni ju Osafune Saburo hyoe no jo NAGAMITSU,
Kyoroku 5 nen 2 gatsu kichijitsu /
Boshu ni oite kore wo tsukuru,
Rin Byo To Sha Kai Jin Retsu Zai Zen Mei


備前国 享禄 四百九十年前

刃長 七寸二分二厘
元幅 七分三厘強
重ね 二分

金着二重ハバキ 白鞘入

本間薫山博士鞘書 「享禄五防州打」

昭和四十一年東京都登録

特別保存刀剣鑑定書

Bizen province
Kyoroku 5 (A.D.1532, late Muromachi period)
491 years ago

Hacho (Edge length) 21.9㎝
Moto-haba (Width at Hamachi) approx. 2.21cm
Kasane (Thickenss) approx. 0.61㎝

Gold foil double Habaki
Calligraphy on the Shirasaya,
written by Dr.Honma Kunzan
"Kyorou 5 Boshu uchi"

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

 三郎兵衛尉永光の俗名と「臨(りん)兵(びょう)闘(とう)者(しゃ)皆(かい)陣(じん)列(れつ)在(ざい)前(ぜん)命(めい)」の十字が刻された短刀。「於防州作之」は大内義隆の領国周防での作を表しており、刻されている銘も貴重。永光には三郎兵衛尉の他に永正十年美作国鷹取庄の陶俊廣の需に応えた五郎次郎、永禄四年の孫右衛門尉清光に紛れる直刃出来の刀を遺した次郎兵衛尉があり、勝光、宗光、清光等有名工と肩を並べる高い技術力で武士の信頼を得ていたのであった。
 この短刀は棟を真に造り、茎を長めに仕立て、身幅重ね尋常で無反りの凛とした姿。杢を交えた板目鍛えの地鉄は総じて良く詰み、刃境に太い地景を伴う綾杉状の肌が明瞭に現れ、地沸が付いて淡い飛焼状に湯走りが掛かる。幅広く焼かれた互の目乱刃は沸付いて小沸の足が刃中に射し込み、刃縁のほつれに伴って金線、砂流しが掛かり、沸匂が充満した刃中は一際明るい。帽子も焼が深く、強く沸付いて突き上げて返り、上半の棟焼も互の目となって皆焼(ひたつら)の如き様相を呈する。「臨兵闘者皆陣列在前命」の裏銘は和泉守兼定や長舩宗光にも見られる災厄避けの九字真言に「命」を加えた十文字。武将が本作に託した思いを伝えている。

短刀 銘 備前國住長舩三郎兵衛尉永光 享禄五年二月吉日 於防州作之 臨兵闘者皆陣列在前命短刀 銘 備前國住長舩三郎兵衛尉永光 享禄五年二月吉日 於防州作之 臨兵闘者皆陣列在前命短刀 銘 備前國住長舩三郎兵衛尉永光 享禄五年二月吉日 於防州作之 臨兵闘者皆陣列在前命 白鞘

短刀 銘 備前國住長舩三郎兵衛尉永光 享禄五年二月吉日 於防州作之 臨兵闘者皆陣列在前命  差表切先短刀 銘 備前國住長舩三郎兵衛尉永光 享禄五年二月吉日 於防州作之 臨兵闘者皆陣列在前命 差裏切先

短刀 銘 備前國住長舩三郎兵衛尉永光 享禄五年二月吉日 於防州作之 臨兵闘者皆陣列在前命 ハバキ

永光押形