脇差
銘 (菊紋)一 河内守祐定
備前國長舩住

Wakizashi
(Kiku-mon) Ichi Kawachi no kami SUKESADA
Bizen no kuni Osafune ju


備前国 元禄頃 約三百二十年前

刃長 一尺七寸強
反り 四分
元幅 九分九厘
先幅 六分七厘
棟重ね 二分一厘
鎬重ね 二分三厘

素銅地一重ハバキ 白鞘付

黒石目地塗鞘脇差拵入
拵全長 二尺六寸強
柄長 六寸

平成十二年静岡県登録

特別保存刀剣鑑定書

Bizen province
Genroku era (A.D.1688-1703, mid Edo period)
About 320 years ago

Hacho (Edge length) 51.6㎝
Sori (Curvature) approx.1.21㎝
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx.3㎝
Saki-haba (Width at Kissaki) approx. 2.03cm
Kasane (Thickenss) approx. 0.7㎝

Suaka single Habaki / Shirasaya

Kuro ishimeji nuri saya, wakizashi koshirae
Whole length: approx. 78.8cm
Hilt length: approx. 18.2cm

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

 河内守祐定は名を仁左衛門といい、備前長舩宗左衛門尉祐定の子。新刀期長舩鍛冶中興の上野大掾祐定の従兄弟で技量が優れ、元禄十四年五月七日に河内守を受領して菊紋と一文字を許された。岡山藩主池田侯所用の大小の他、小刀なども精鍛して銀を拝領した記録があり、藩工として篤実に勤めたことが知られている(注)。
 河内守受領直後の製作とみられるこの脇差は、身幅重ね充分に反りやや高く中鋒の、元禄新刀らしい均整のとれた好姿。地鉄は小板目肌が詰み澄み、細かな地景が縦横に入って緻密に肌起ち、地沸が均一に付いて潤い、光を反射させると刃寄りが黒く澄み、刃区上から応永備前に見られるような淡い直調の映りが立ち、地肌の変化には奥深いものがある。刃文は浅い湾れに小互の目と小丁子を配して奔放に変化し、刃縁に淡雪のような沸が付いて明るく、刃境には湯走り、飛焼、小形の金線と砂流しが掛かり、明るい刃中に足、葉が入る。帽子は小丸に形よく返る。茎の保存状態は優れ、菊紋と一文字、受領銘に鑚枕が立つなど健全体を保っている。
 附帯する黒石目地塗鞘脇差拵は、親粒の大きな白鮫皮着の柄に日輪と三日月図の目貫が巻き込まれ、地紙散図の綺麗な鐔が掛けられた、瀟洒な出来となっている。

注…『長船町史刀剣編史料』の「横山加賀介奉公書」参照。因みに天保 頃の丁子の名手加賀介祐永は河内守祐定の四代孫に当たる。

脇差 銘 (菊紋)一 河内守祐定 備前國住長舩住脇差 銘 (菊紋)一 河内守祐定 備前國住長舩住脇差 銘 (菊紋)一 河内守祐定 備前國住長舩住 白鞘 

黒石目地塗鞘脇差拵 脇差 銘 (菊紋)一 河内守祐定 備前國住長舩住黒石目地塗鞘脇差拵 脇差 銘 (菊紋)一 河内守祐定 備前國住長舩住

脇差 銘 (菊紋)一 河内守祐定 備前國住長舩住 差表切先脇差 銘 (菊紋)一 河内守祐定 備前國住長舩住 差表中央脇差 銘 (菊紋)一 河内守祐定 備前國住長舩住 差表ハバキ上

脇差 銘 (菊紋)一 河内守祐定 備前國住長舩住 差裏切先脇差 銘 (菊紋)一 河内守祐定 備前國住長舩住 中央脇差 銘 (菊紋)一 河内守祐定 備前國住長舩住 差裏ハバキ上


脇差 銘 (菊紋)一 河内守祐定 備前國住長舩住 ハバキ

河内守祐定押形