銘 備前國住長舩清光
天文十二年八月吉

Katana
Bizen no kuni ju Osafune KIYOMITSU
Tenbun 12 nen 8 gatsu kichi


備前国 天文 四百七十九年前

刃長 二尺五寸五分
反り 七分二厘
元幅 一寸七厘
先幅 七分一厘
棟重ね 二分三厘
鎬重ね 二分五厘強

金着一重ハバキ 白鞘付

黒蝋色塗鞘薩摩拵入
拵全長 三尺五寸
柄長 八寸一分

令和二年福岡県登録

特別保存刀剣鑑定書

Bizen province
Tenbun 12 (A.D.1543, late Muromachi period)
479 years ago

Hacho (Edge length) 77.3㎝
Sori (Curvature) approx.2.1㎝
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx.3.2㎝
Saki-haba(Width at Kissaki) approx.2.1㎝
Kasane (Thickenss) approx. 0.7㎝

Gold foil single Habaki / Shirasaya

Kuro ro-iro nuri saya, Satsuma koshirae
Whole length: approx. 127.2cm
Hilt length: approx. 24.5cm

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

 天文十二年八月二十五日、種子島に異国船が漂着した(注)。その乗組員が携えていた鉄炮は、後の我が国の戦を大きく変質させる。鉄炮が研究改良されて性能が向上したことはもちろんだが、鍛鉄を防護の要とした具足の開発へと進んでいる。
 祐定と共に戦国期の備前国長舩鍛冶を代表するのが清光(きよみつ)一門。天文年間は、清光家を隆盛へと導いた五郎左衛門尉の時代で、赤松氏の庇護を受けて多くの雄刀を製作している。
 この刀は、わずかに区が送られているも二尺五寸半の長寸を保ち、元先の身幅が広く重ねが厚く、平肉の付いた頑強な造り込み。二寸弱の区送りで、元来は二尺七寸五分。いかなる屈強の武士が備えとしたものであろうか。板目に杢目を交えた地鉄は、全面に沸き立つ地沸を分けるように地景が現れてざんぐりと肌起ち、所々映りが立って古調な景色を呈している。清光に特徴的な中直刃の刃文は、匂を主調に小沸が付き、刃境にはほつれ、金線、稲妻、湯走りが働き、匂の起ち込める刃中に小足が盛んに入り、飛足、匂の砂流しが掛かるなど複雑。刃境の湯走りから地中の映りに煙り込む景色が、また、差表の刀身中程辺りには二重刃風の動感豊かな働きが窺える。
 綺麗な茄子図目貫と赤銅地に金の映えた波龍図縁頭を巻き込み鉄地の鐔を備えた、薩摩拵に収められている。

注…『鉄炮記』参照。

刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉  白鞘

黒蝋色塗鞘薩摩拵 刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉黒蝋色塗鞘薩摩拵 刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉

刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉 差表切先刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉 差表中央

刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉 差表中央刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉 差表ハバキ上

刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉 差裏切先刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉 差裏切先 中央

刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉 差裏中央刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉 差裏 ハバキ上

笹透図鐔

笹透図鐔

茄子図目貫 白鮫皮着黒糸摘巻柄

茄子図目貫 白鮫皮着黒糸摘巻柄

波龍図縁頭

刀 銘 備前國住長舩清光 天文十二年八月吉 ハバキ

 

清光押形