太刀
銘 靖憲
昭和十九年十二月吉日

Tachi
YASUNORI
Showa 19 nen 12 gatsu kichijitsu


小谷靖憲 東京
七十八年前 三十五歳作

刃長 二尺三寸六分六厘
反り 六分二厘
元幅 一寸九厘
先幅 七分二厘
棟重ね 二分一厘
鎬重ね 二分三厘
表裏 棒樋丸止・添樋掻流し

金着二重ハバキ 白鞘入

令和二年千葉県登録

特別保存刀剣鑑定書

価格 百万円(消費税込)

Swordsmith: Kotani Yasunori
Tokyo capital
Forged in 1944 (Showa 19), 78 years ago
Work at his 35 years old

Hacho (Edge length) 71.7㎝
Sori (Curvature) approx. 1.88㎝
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx.3.3㎝
Saki-haba(Width at Kissaki) approx.2.18㎝
Kasane (Thickenss) approx. 0.7㎝
Engraving: "Bo-hi" maru-dome and "Soe-hi" kaki-nagashi on the both sides

Gold foil double Habaki / Shirasaya

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

Price 1,000,000 JPY

 小谷靖憲は明治四十二年一月七日広島県呉市の生まれ。昭和八年七月に靖國神社内の日本刀鍛錬会に入会、梶山靖徳の指導を仰ぎ、昭和十年七月に陸軍大臣林銑十郎より靖憲の名を拝受した。因みに靖憲師畢生の一振といえば、昭和十六年一月に東条英機陸軍大臣の需で精鍛した熱田神宮奉納太刀であろう。占領軍の接収を恐れて他所(末社か)へ移されていたものを弊社の深海社長が縁あって入手、平成七年八月八日に呉市在住の靖憲刀匠に連絡をとり、伴って熱田神宮へ貢納した。奉献太刀を五十四年ぶりに手にした靖憲師は、「この刀は苦労したんだ…四度も作り直しを命じられた」と感無量の様子であったという(注)。
 この太刀は、身幅広く刃区深々として生ぶ刃が遺され、腰反り高く鋒猪首ごころに造り込まれて鎌倉期の太刀の如き大丈夫ぶりの雄姿。地鉄は小板目肌が詰み澄み、地沸が微塵について、晴れやかな鉄色。刃文は丁子乱刃、桜花を想わせる刃が押し合うような態となる華やかな乱れで、刃縁に淡雪のような沸が密集して明るく、長い足が柔らかく入り、刃中には微細な沸の粒子が立ち込めて霞立つように澄む。帽子は横手を焼き込み、端正な小丸に返る。茎に太鑚で刻された銘字には今尚鑚枕が強く起って鮮明。昭和十九年十二月、高級将校の注文で精鍛された作であろう、出色の出来栄えである。

注…『銀座情報』百七号参照。靖憲師は当時八十六歳であった。

太刀 銘 靖憲 昭和十九年十二月吉日太刀 銘 靖憲 昭和十九年十二月吉日

太刀 銘 靖憲 昭和十九年十二月吉日 白鞘

 

太刀 銘 靖憲 昭和十九年十二月吉日 佩表切先太刀 銘 靖憲 昭和十九年十二月吉日 佩表中央太刀 銘 靖憲 昭和十九年十二月吉日 佩表ハバキ上

太刀 銘 靖憲 昭和十九年十二月吉日 佩裏切先太刀 銘 靖憲 昭和十九年十二月吉日 佩裏切先 中央太刀 銘 靖憲 昭和十九年十二月吉日 刀身佩裏 ハバキ上

 

太刀 銘 靖憲 昭和十九年十二月吉日 ハバキ

政光押形