短刀
銘 以真金伸咲作之
壬午歳正月吉日

Tanto
Shin-gane wo motte SHINSAKU kore wo tsukuru
Mizunoe-Uma no toshi Shogatsu kichijitsu


赤松伸咲 岡山県倉敷市
平成十四年作
刃長 七寸六分(二三糎)
元幅 七分四厘 重ね 一分七厘
黒蝋色塗秋草蒔絵鞘合口拵入 銀無垢一重ハバキ
拵全長 一尺二寸四分 柄長 三寸五分
平成十四年岡山県登録

価額 四十五万円(消費税込)

 

Akamatsu Shinsaku
Okayama prefecture,Kurashiki city
Heisei 14 year (2002)
About 20 years ago

Hacho (Edge length) 23㎝
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx. 2.24㎝
Kasane (Thickenss) approx. 0.51㎝

Solid silver single Habaki
Black lacquered plantes makie saya aikuchi koshirae
Koshirae length approx.37.6cm
Hiltlength approx.10.6cm
Registered in Okayama in 2002

Price 450,000 JPY

 昭和六十年に人間国宝の隅谷正峰師に入門した赤松伸咲(しんさく)刀匠は、それまで備前長舩博物館で学芸員を勤め、数々の名刀を実際に手にとって観察しており、その経験を活かした作刀活動を展開している。新作名刀展では平成二年に優秀賞と新人賞を受賞し、倉敷に鍛冶場を開設した。師より学んだ備前伝と青江伝を得意とし、逆丁子出来の華やかな刃文や互の目乱で人気を博している。
この短刀は、秋草蒔絵が施された短刀拵に収められているお守り刀。鎌倉時代後期の短刀のように安定感のある姿格好で、茎は舟底形。小板目鍛えの地鉄は、地底に細かな地景を伴って肌起つ風をみせ、地沸が付いて一段と古調。二つ三つと互の目が連なり、湾れを伴って抑揚のある刃文構成とし、浅く乱れ込んだ帽子は、先端が小丸に返る。匂口柔らかな焼刃は、刃中に明るい匂を敷き、淡い足がここに広がる態を成して上品。綺麗な仕上がりとなっている。拵は、黒蝋色地に金粉を叢梨子地に蒔散し、さらに金銀粉の盛り上げ蒔絵に朱漆で菊花を、紫漆で桔梗の花を付描した、華やかで上品な合口様式の造り込み。伝統を守りながらも新たな美観を創造する現代職人の、美意識が溢れた作品となっている。

短刀 銘 以真金伸咲作之 壬午歳正月吉日

短刀 銘 以真金伸咲作之 壬午歳正月吉日

短刀 銘 以真金伸咲作之 壬午歳正月吉日

短刀 銘 以真金伸咲作之 壬午歳正月吉日 拵

短刀 銘 以真金伸咲作之 壬午歳正月吉日 鎺