脇差
銘 伯耆守藤原汎隆
寛文八年八月日 越前住
(業物)

Wakizashi
Hoki no kami Fujiwara no HIROTAKA
Kanbun 8 nen 8 gatsujitsu, Echizen ju
(Wazamono)


越前国 寛文 三百五十三年前

刃長 一尺七寸四分
反り 二分六厘
元幅 一寸
先幅 六分九厘
棟重ね 二分一厘
鎬重ね 二分三厘

金色絵二重ハバキ 白鞘付

黒漆塗珊瑚塗込鞘脇拵入
拵全長 二尺六寸
柄長 六寸五分


昭和六十二年福井県登録

特別保存刀剣鑑定書

Echizen province
Kanbun 8 ( A.D.1668, early Edo period)
353 years ago

Hacho (Edge length) 52.8㎝
Curvature 0.79cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx. 3.03㎝
Saki-haba (Width at Kissaki) approx. 2.09cm
Kasane (Thickenss) approx. 0.7㎝

Gold iroe double Habaki
Shirasaya

Kuro urushi nuri Sango nurikome saya,
wakizashi koshirae
Whole length approx. 78.8cm
Hilt length approx. 19.7cm

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

 結城秀康が封じられた越前国は北の守りの要。武備拡充の要求により近江国、美濃国などから刀鍛冶が集められ、美観よりも頑強で截断力の優れた刀槍が盛んに製作されたのであった。寛文頃の越前を代表する汎隆には播磨大掾重高との合作があるように、汎隆は活躍の場を広く求めた創造性の高い刀工であったことが推考され、この脇差も高い技量が窺いとれる出来となっている。
 この脇差は、寸法頃合いに反りを控え、元幅広く先幅尋常に鋒延びごころとして刺突の用を追求した造り込みながら、刃先の肉を削いで截断の効用を高めた造り込み。小板目鍛えの地鉄は、板目、流れ肌、小杢を交え、全面に湧き出した地沸と細かな地景によって小気味よく肌起ち、いかにも切れ味重視の地鉄鍛え。力強く武骨な中にも美観の窺いとれる地鉄と同様、小模様の互の目から始まる湾れ調の刃文は、次第に焼幅が大きくなって不定形に連続する互の目で、帽子は掃き掛けを伴って端正な小丸に返る。沸深く明るい焼刃は、小沸の足が盛んに入り、物打辺りの刃境には肌目に伴って和紙を引き裂いたようなほつれが広がり、匂で澄んだ刃中の静かな景色となっている。
 附されている拵は、四季の移り変わりを金具の採り合わせで鮮やかに表現した作。鐔は東龍斎派の景親の晩秋に月を見上げる鹿図。小柄は後代安親の帰雁図。栗形もまた帰雁図。縁頭も東龍斎派の壽親の初日の出に鶴と若松の図。目貫は杜鵑に鰹で、初夏の風情。鞘は黒蝋色塗時に朱の珊瑚を塗り込めた鮮やかな装飾。刀身とは趣を異にする、凝った美観が示されている。

脇差 銘 伯耆守藤原汎隆 寛文八年八月日 越前住脇差 銘 伯耆守藤原汎隆 寛文八年八月日 越前住

黒漆塗珊瑚塗込鞘脇差拵 刀身 脇差 銘 伯耆守藤原汎隆 寛文八年八月日 越前住黒漆塗珊瑚塗込鞘脇差拵 刀身 脇差 銘 伯耆守藤原汎隆 寛文八年八月日 越前住脇差 銘 伯耆守藤原汎隆 寛文八年八月日 越前住 白鞘

脇差 銘 伯耆守藤原汎隆 寛文八年八月日 越前住脇差 銘 伯耆守藤原汎隆 寛文八年八月日 越前住 差表中央脇差 銘 伯耆守藤原汎隆 寛文八年八月日 越前住 差表ハバキ上

脇差 銘 伯耆守藤原汎隆 寛文八年八月日 越前住 差裏切先脇差 銘 伯耆守藤原汎隆 寛文八年八月日 越前住 差裏中央脇差 銘 伯耆守藤原汎隆 寛文八年八月日 越前住 差裏ハバキ上

 

月に鹿図鐔 銘 景親(花押) 保存刀装具鑑定書

月に鹿図鐔 銘 景親(花押) 保存刀装具鑑定書

月に鹿図鐔 銘 景親(花押)
保存刀装具鑑定書

帰雁図小柄 銘 法眼安親(金象嵌花押) 保存刀装具鑑定書帰雁図小柄 銘 法眼安親(金象嵌花押)

帰雁図小柄 銘 法眼安親(金象嵌花押)
保存刀装具鑑定書

杜鵑に鰹図目貫 白鮫皮着黒糸摘巻柄

杜鵑に鰹図目貫 白鮫皮着黒糸摘巻柄

帰雁図栗形

帰雁図鐺

沢瀉図口金

正月図縁頭 銘 大竜孫壽親(花押)

脇差 銘 伯耆守藤原汎隆 寛文八年八月日 越前住ハバキ

汎隆押形