(刀身はありません)
This koshirae has no sword.
総体が銀無垢地の金具で装われた拵。鎌倉期の古名作が収められていたのであろう、振袖茎に仕立てられたツナギが装着されている。銀の地金は燻銀を思わせる独特の紫黒色を帯び、鈍い光沢を放つ贅沢な風合いが最大の魅力。重量は六〇〇グラムで、掌に伝わりくるその量感もまた魅力。小柄と馬針も同作銀無垢地で、いずれも簡潔な猪目の小透が装飾とされている。近代の作ながら入念な製作となっている。