短刀
銘 来國俊
(大業物)

Tanto
Rai KUNITOSHI
(O Wazamono)


山城国 鎌倉後期正和頃 約七百十年前

刃長 六寸九分六厘
内反り
元幅 六分二厘半
重ね 一分四厘半

金無垢二重台付ハバキ 白鞘付

篠刻黒漆塗鞘合口拵入
拵全長 一尺四寸
柄長 三寸七分


平成五年東京都登録

特別保存刀剣鑑定書(時代正和頃)

価格 四百三十万円(消費税込)

Yamashiro province
Showa era (late Kamakura period, A.D.1312-1317)
about 710 years ago

Hacho (Edge length) 21.1㎝
Curved to to inner (Uchi-zori)
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx. 1.89㎝
Kasane (Thickenss) approx. 0.44㎝

Pedestal double Habaki, made of pure gold
Shirasaya

Shino kizami kuro urushi nuri saya, aikuchi koshirae
Whole length approx. 42.4cm
Hilt length approx. 11.2cm

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK
(Showa era, late Kamakura period)

Price 4,300,000 JPY

 来國俊には正応二年から元亨元年までの三十二年間に亘る年紀が遺されている。その中に「正和 年十月廿三日歳七十五」と刻されている太刀が現存するによって生年が仁治元年であることが判断され、最終年紀の元亨元年十二月日の太刀は八十一歳の作である。この間の作風と銘字の変遷等については近年研究が進んでおり、来國光、あるいは来國次に近似する銘振りのものもあって興味深いものがある。
 表題の短刀は、銘形の特徴、殊に國の字の中の左側の点の向きから正和年間と断定できる作であり、この工の、この時代に間々みられる小振りの造り込み。真の棟に仕立てられて内反りごころの造形は気品が備わって味わい深く、浅い振袖茎に刻された三字の銘も鮮明。絹目に擬えられる微塵に詰んだ小板目に自然な柾肌を交じえた地鉄は、地沸映りが霞の棚引くように明瞭に立ち現れる。刃文は焼幅充分な直刃が浅く湾れ、帽子は端正な小丸返り。匂口ふっくらと柔らか味のある焼刃は、小沸が美しく輝いて刃中明るく、刃縁のほつれが刃中に流れ込んで繊細な金筋、砂流しの働きとなり幽かに小足が射す。 手綱模様風に揃った筋を切り込んだ鞘に、樋定規に桐紋小柄と壺笠形の桐紋目貫を添えた、上品な合口拵(注)が附されている。
 小品ながら短刀の名手来國俊の美点が充満した佳作となっており、名こそ最も惜しむ純粋剛直の武士が、最期の時に潔く自らを処する為に腰間に忍ばせていたものであろう、尊い一振である。 

注…入れ子鞘に仕立てられている。

短刀 銘 来國俊短刀 銘 来國俊

篠刻黒漆塗鞘合口拵 刀身 短刀 銘 来國俊篠刻黒漆塗鞘合口拵 刀身 短刀 銘 来國俊短刀 銘 来國俊 白鞘

短刀 銘 来國俊 差表切先短刀 銘 来國俊 差表ハバキ上

短刀 銘 来國俊 差裏切先短刀 銘 来國俊 差裏ハバキ上

五三桐紋図目貫 白鮫皮着出目貫仕立

五三桐紋図目貫 白鮫皮着出目貫仕立

樋定規に五三桐紋図小柄 無銘


 

 

國俊押形