平造脇差
銘 八幡大菩薩 春日大明神 相州住義宗作
安政五年八月吉日

Hira-zukuri wakizashi
Hachiman daibosatsu Kasuga daimyojin Soshu ju YOSHIMUNE saku
Ansei 5 nen 8 gatsu kichijitsu


相模国 安政 百六十三年前

刃長 一尺三寸強
反り 一分
元幅 一寸五厘半
棟重ね 二分五厘
彫刻 表裏 腰樋・連樋

金着一重ハバキ 白鞘入

平成八年神奈川県登録
保存刀剣鑑定書

価格 四十五万円(消費税込)

Sagami province
Ansei era (A.D.1854-1859, late Edo period)
about 160 years ago

Hacho (Edge length) 39.4㎝
Sori(Curvature) approx. 0.3cm
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx. 3.2㎝
Kasane (Thickenss) approx. 0.76㎝
Engraving: "Koshi-hi""Tsure-hi" on the both sides

Gold foil single Habaki / Shirasaya

Hozon certificate by NBTHK

Price 450,000 JPY

 相模国の刀工義宗の平造脇差。身幅広く物打辺りが強く張って寸法を控え、浅く反って南北朝時代の大平造を想起させ、幅の異なる樋を丈比べに施して樋際の線が起つ風格のある姿。銘の上には八幡大菩薩と春日大明神の二神号の文字(注①)が刻され、所持した武士の篤い信仰心が示されている。地鉄はよく詰んだ板目肌に地沸が厚く付き、沸粒の光強く、淡く沸映り立ち、鉄色は晴れやか。刃文は焼高い互の目に丁子、尖りごころの刃を交え、銀砂のような小沸が厚く付き光を強く反射して眩く輝き、沸足長く射し、金線、砂流し、特にふくら付近には黒く長い金筋が掛かり、刃中も沸匂が充満して明るい。帽子は乱れ込んで突き上げて小丸に返る。先やや細く剣形に仕立てられた茎は正宗や貞宗と同じ形で、しかも茎仕立ては極めて丁寧。細鑚で入念に刻された銘字は付け止めがしっかりとして美しく、茎仕立てと銘形は大慶直胤もしくは高弟北司正次のそれに極めてよく似ている(注②)。相州上工への思慕の念を胸に、独創を加味して打ち上げられたものであろう、出来優れ、見応えのある一振となっている。

注①…区下に「宇都宮大明神」「八幡大菩薩」の神号文字を刻された文和五年卯月日紀の相模國住人廣光の平造脇差(尾張国犬山城成瀬家伝来。重要文化財。『日本刀大鑑』参照)によく似ている。

注②…安政五年の五の第一画がない辺り、直胤に通じるものがある。義宗は直胤門として指導・影響を受けた刀工の可能性が高い。

平造脇差 銘 八幡大菩薩 春日大明神 相州住義宗作 安政五年八月吉日平造脇差 銘 八幡大菩薩 春日大明神 相州住義宗作 安政五年八月吉日平造脇差 銘 八幡大菩薩 春日大明神 相州住義宗作 安政五年八月吉日 白鞘

 

 

 

平造脇差 銘 八幡大菩薩 春日大明神 相州住義宗作 安政五年八月吉日 差表切先平造脇差 銘 八幡大菩薩 春日大明神 相州住義宗作 安政五年八月吉日 ハバキ上

平造脇差 銘 八幡大菩薩 春日大明神 相州住義宗作 安政五年八月吉日 差裏切先平造脇差 銘 八幡大菩薩 春日大明神 相州住義宗作 安政五年八月吉日 差裏ハバキ上

平造脇差 銘 八幡大菩薩 春日大明神 相州住義宗作 安政五年八月吉日 ハバキ

 

義宗押形