茄子図鐔
 銘 皆山應起(花押)

江戸後期 山城国京都二条

赤銅魚子竪丸形高彫色絵
縦72.4mm 横68mm  切羽台厚さ 5mm

特製落込桐箱入

特別保存刀装具鑑定書

Details

Tsuba
"Nasu" (Egg plant)

Sig. Minayama MASAOKI (Kao)

late Edo period
Kyoto city, Yamashiro province

made of Shakudo
Length 72.4mm Width 68mm Thickness 5mm

Special Kiri Box

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK


 皆山應起(まさおき)は直市と称し、江戸時代後期の京を代表する大月派の光芳と光興に学び、師を凌駕する細やかな彫口からなる作品を遺している。この鐔は、いくつもの実を付けた茄子を正確な図採りと精巧で精密な彫刻で写実表現した、應起の優れた技量が良くわかる作。

 漆黒の赤銅魚子地に肉高くくっきりと立つように瑞々しい茄子の枝を彫り出し、枝葉は色の濃い朧銀で花は金色絵、実は艶やかな光沢をもつ赤銅で表し、葉の虫食いはもちろん蔕の棘まで見事に再現している。

注…「茄子の花は千に一つの無駄もない」と言われるように必ず実が成ることから御家安泰を暗示。また、ポリフェノールの効用と塩分を代謝させる効果も見出されているように、古くから薬種のように身体に良い食物とされていた。


 

茄子図鐔 銘 皆山應起(花押)

茄子図鐔 銘 皆山應起(花押)

茄子図鐔 銘 皆山應起(花押)

茄子図鐔 銘 皆山應起(花押)