脇差
銘 波平行周
文化十三年子二月

Wakizashi
Naminohira YUKICHIKA
Bunka 13 nen Ne 2 gatsu


薩摩国 文化 二百五年前 六十三歳作

刃長 一尺五寸一分一厘
反り 三分三厘
元幅 一寸六厘
先幅 九分
棟重ね 二分四厘
鎬重ね 二分七厘
彫刻 表裏 薙刀樋・添樋

金着二重ハバキ 白鞘付

薩摩藩定紋金具黒蝋色塗鞘脇差拵入
拵全長 二尺二寸二分
柄長 五寸三分

昭和五十二年兵庫県登録

特別保存刀剣鑑定書

価格 百八十五万円(消費税込)

Naminohira YUKICHIKA (Born: 1754, Horeki 4)
Satsuma province
Bunka 13(A.D.1816, late Edo period)
205 years ago

Hacho (Edge length) 45.8㎝
Sori (Curvature) approx. 1㎝
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx. 3.21㎝
Saki-haba(Width at Kissaki) approx.2.73㎝
Kasane (Thickenss) approx. 0.82㎝
Engraving: "Nagainata-hi" and "Soe-hi" on the both sides
Gold foil double Habaki
Shirasaya

"Maru ni Juji" mon (the crest of the Satsuma domain) kanagu Kuro ro-iro nuri saya, wakizashi koshirae
Whole length approx. 67.3cm
Hilt length approx. 16.1cm

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

Price 1,850,000 JPY

 行周は薩摩波平六十一代目で宝暦四年の生まれ。波平伝に相州伝を採り入れた五十七代大和守安行に倣った沸出来直刃の作を精鍛している。
この脇差は、祖父島津重豪の指導で藩政改革に取り組んだ斉興(斉彬・久光の父)時代の文化十三年二月の作。元先の身幅が広く、両区深く重ね厚く、棟の肉が削ぎ落されて総体に鎬筋が立ち、樋際の線、棟の稜線、刃先の線が軌を一にし、大きく延びた鋒から茎先まで姿が緩むことなく美しさが際立つ造り込み。小杢目鍛えの地鉄は細かな地景が縦横に入って地肌に活力が漲り、地沸が湧き立ってあたかも断ち割った直後の梨の実の断面の如く潤い、地肌が透き通るように一切の曇りがなく晴れやか。直刃調の刃文はゆったりと湾れ、厚く付いたつぶらな沸が光を強く反射し、正宗など相州上工に見る雪の叢消えの様相を呈し、湯走り掛かり沸筋が流れて二重刃となり、沸付いた帽子も二重刃となって小丸に返る。錆浅く白銀色に輝く茎に波平伝統の檜垣鑢が掛けられ、太鑚大振りの銘字は鑚枕が立っている。特別の需に応えた行周の渾身の一振で出来は抜群。
拵は登城用の大小一腰の小刀で漆黒の鞘色が美しく、極上質の赤銅魚子地仕立てになる島津家定紋入の金具が用いられている。藩主斎興または直近の親族の所用であろう

注…藩主の命で伊豆守正房に入門し、相州伝を収めた(『薩摩の刀と鐔』)。

脇差 銘 波平行周 文化十三年子二月脇差 銘 波平行周 文化十三年子二月 薩摩藩定紋金具黒蝋色塗鞘脇差拵 刀身 脇差 銘 波平行周 文化十三年子二月脇差 銘 波平行周 文化十三年子二月  白鞘

 

脇差 銘 波平行周 文化十三年子二月 差表中央脇差 銘 波平行周 文化十三年子二月 差表切先脇差 銘 波平行周 文化十三年子二月 刀身差表 ハバキ上

脇差 銘 波平行周 文化十三年子二月 差裏切先脇差 銘 波平行周 文化十三年子二月 差裏ハバキ上脇差 銘 波平行周 文化十三年子二月 差裏ハバキ上

 




脇差 銘 波平行周 文化十三年子二月 ハバキ

 

行周押形