木賊刈図鐔
 無銘 土屋派

江戸時代後期

鉄地竪丸形高彫象嵌
縦73.3mm 横70.8mm  切羽台厚さ5.3mm

特製落込桐箱入
保存刀装具鑑定書(土屋派)

Details

Tsuba
"Tokusa-gari"
(From Noh title)
no sign Tsuchiya school


late Edo period

made of iron
Length 73.3mm Width 70.8m Thickness 5.3mm

Special Kiri Box

Hozon certificate by NBTHK
(Tsuchiya school)


 土屋安親は、人間そのものを表現することで、装剣金工の分野に新たな地平を切り開いた芸術家。殊に木賊刈の図は、拐かされたわが子を想う父の姿を、月、木賊、それを刈り取る鎌といったごくわずかな素材のみで劇的情景に仕上げている作品である。

 その安親同然のこの鐔(注)も、鉄地全面に変化のある石目地を施し、図柄は極端な高彫ではないにもかかわらず奥行きと立体感が生まれ、夕暮れ時の静かな空気までも表現している。

注…安親作木賊刈図鐔『銀座情報』三八三号参照。


 

木賊刈図鐔 無銘 土屋派

木賊刈図鐔 無銘 土屋派

 

木賊刈図鐔 無銘 土屋派