脇差
銘 刀 銘 近江守法城寺橘正弘
金象嵌截断銘 貮ツ胴切落後参ツ胴切落
山野加右衛門尉永久(花押)
(業物)

Wakizashi
Omi no kami Hojoji Tachibana no MASAHIRO
Kin-zogan mei: Futatu-do kiri-otoshi, nochi Mitsu-do kiri-otoshi
Yamano Kaemon no jo Nagahisa (Kao)
(Wazamono)


武蔵国 明暦頃 約三百六十五年前

刃長 一尺八寸一分
反り 三分三厘
元幅 一寸一分六厘
先幅 七分四厘
重ね 二分二厘

金着一重ハバキ 白鞘入

昭和三十九年三重県登録

特別保存刀剣鑑定書

価格 百二十五万円(消費税込)

Musashi province
Meireki era (A.D.1655-1657, early Edo period)
about 365 years ago

Hacho (Edge length) 54.8㎝
Sori (Curvature) approx. 1㎝
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx. 3.51㎝
Saki-haba(Width at Kissaki) approx.2.24㎝
Kasane (Thickenss) approx. 0.67㎝

Gold foil single Habaki / Shirasaya

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

Price 1,250,000 JPY

 但州法城寺國光の末裔で瀧川姓を称する法城寺正弘は、但馬国出石弘原の生まれ。江戸に出て技術を磨き、承応四年以前にはすでに近江守を受領していることから、遍く知られる長曽祢虎徹の先輩格に当たる江戸の重鎮。武用に徹した刀造りが盛んであった江戸では虎徹、和泉守兼重、大和守安定などが知られ、中でも法城寺正弘の切れ味は群を抜いており、山田浅右衛門の『業物位列』では「業物」ながら、実際には虎徹に比肩するものと高く評価されている。
 この脇差は、金象嵌銘に記されている如く、その凄まじい截断力が山野加右衛門永久(注)によって確かめられた作。寸法長く元先の身幅が広く適度に反りが付き、重ねもしっかりとして重量があり、研ぎ減りなく区深く残された堅牢な出来。鎬地柾目、平地は板目鍛えに小板目肌を交えた地鉄とし、平地中央の所々に杢目肌が立って細やかな地景と地沸に覆われ、刀が持つ強靭さを浮かび上がらせて凄味がある。刃文は小互の目から始まる焼の深い直刃調の互の目乱で焼頭が大小連続し、わずかに抑揚が付いて帽子へと至り、先端は焼詰め風に棟に寄って小丸にごく浅く返る。均質な小沸による焼刃は明るく冴え冴えとし、匂で透明感のある刃中に足が盛んに射し、江戸鍛冶の特質でもある飾らない作風が魅力となっている。錆色黒く均質な茎には、鑚枕の立つ銘字が深く強く刻されてお り、金象嵌截断銘も鮮やかに残されている。

注…慶長三年生まれ。仙台住人…と銘を切った作があることから伊達家の家臣か。はじめ勘十郎を名乗り、慶安元年に加右衛門に改めている。小笠原信夫著『名刀虎徹』参照。

脇差 銘 近江守法城寺橘正弘 金象嵌截断銘 貮ツ胴切落後参ツ胴切落山野加右衛門尉永久(花押)脇差 銘 近江守法城寺橘正弘 金象嵌截断銘 貮ツ胴切落後参ツ胴切落山野加右衛門尉永久(花押)脇差 銘 近江守法城寺橘正弘 金象嵌截断銘 貮ツ胴切落後参ツ胴切落山野加右衛門尉永久(花押) 白鞘

 

 

脇差 銘 近江守法城寺橘正弘 金象嵌截断銘 貮ツ胴切落後参ツ胴切落山野加右衛門尉永久(花押) 差表中央脇差 銘 近江守法城寺橘正弘 金象嵌截断銘 貮ツ胴切落後参ツ胴切落山野加右衛門尉永久(花押) 差表切先脇差 銘 近江守法城寺橘正弘 金象嵌截断銘 貮ツ胴切落後参ツ胴切落山野加右衛門尉永久(花押) ハバキ上

脇差 銘 近江守法城寺橘正弘 金象嵌截断銘 貮ツ胴切落後参ツ胴切落山野加右衛門尉永久(花押) 差裏切先脇差 銘 近江守法城寺橘正弘 金象嵌截断銘 貮ツ胴切落後参ツ胴切落山野加右衛門尉永久(花押) 差裏ハバキ上脇差 銘 近江守法城寺橘正弘 金象嵌截断銘 貮ツ胴切落後参ツ胴切落山野加右衛門尉永久(花押) 差裏ハバキ上

脇差 銘 近江守法城寺橘正弘 金象嵌截断銘 貮ツ胴切落後参ツ胴切落山野加右衛門尉永久(花押)

脇差 銘 近江守法城寺橘正弘 金象嵌截断銘 貮ツ胴切落後参ツ胴切落山野加右衛門尉永久(花押) ハバキ

 

正弘押形