銘 兼定(之定初期銘)
(最上大業物)

Katana
KANESADA (Early inscription of "Nosada")
(Saijo O Wazamono)


美濃国 明応頃 約五百二十年前

刃長 二尺三寸一分三厘半
反り 五分六厘
元幅 九分九厘
先幅 六分九厘
棟重ね 一分九厘
鎬重ね 二分四厘

金着二重ハバキ 白鞘付

本阿弥日洲師鞘書「出来美事也」
田野辺探山師鞘書「ノサダ前銘…来寫中ノ傑作也」

二分刻黒漆塗鞘打刀拵入
拵全長 三尺二寸八分
柄長七寸五分

昭和四十年兵庫県登録

特別保存刀剣鑑定書

価格 二百七十万円(消費税込)

Mino province
Meio era (A.D.1492-1500, late Muromachi period)
about 520 years ago

Hacho (Edge length) 70.1㎝
Sori (Curvature) approx. 1.7㎝
Moto-haba (Width at Ha-machi) approx. 3㎝
Saki-haba(Width at Kissaki) approx.2.1㎝
Kasane (Thickenss) approx. 0.73㎝

Gold foil double Habaki / Shirasaya
Calligraphy on the Shirasaya
written by Dr. Hon'ami Nisshu and Tanabe Tanzan
"Deki Migoto (Excellent)"
"Nosada zen-mei...Rai-utsushi chu no Kessaku nari(early inscription of "Nosada".... masterpiece of Rai style)"

Ni-bu kizami kuro urushi nuri saya,
uchi-gatana koshirae
Whole length: approx. 99.4cm
Hilt length: approx. 22.7cm

Tokubetsu-hozon certificate by NBTHK

Price 2,700,000 JPY

 兼定は室町時代の永正頃に活躍した美濃国の刀工。初め兼定(疋定)と銘し、明応九年頃に定の字の旁を之に刻する之定(のさだ)銘(兼定)に改め(注①)、永正年間に和泉守を受領している。地刃美しく、最上大業物に位列される程の抜群に優れた刃味は武将の篤い支持(注②)を得ており、同国の孫六兼元、備前国の与三左衛門尉祐定などと共に、時代を超越した最有力の刀工としてその名が刀史に刻されている。
 疋定二字銘のこの刀は、所持者の剣術に応じて茎を長く仕立て直したもので、重ね厚手に鎬筋が立つ一方で鎬地の贅肉が削ぎ落され、輪反り高く中鋒が伸びやかで精悍な姿。小板目に小杢目を、刃寄りに柾ごころの肌を交えた地鉄は均質に詰み、小形の地景が繊細に入り、地沸が微塵に付いて鉄色晴々とし、鎬筋に沿って関映りが鮮明に立つ。ごく浅い小互の目に小湾れを交えた中直刃の刃文は、刃境に小沸が付いて匂口明るく、処々喰い違い、ほつれ、小足が無数に入り、刃中には清浄な匂が立ち込めて水色に澄む。帽子は端正な小丸返り。時代の上がる美濃物特有の細かな鷹ノ羽鑢が掛けられた茎に刻された丸みのある書体(注③)の銘字は、明應二年八月日紀の濃州関住兼定作のそれに似ており、殊に兼の第二画、第三角が同一方向に、第九画の鑚が下から上に打たれ、第十から十二画の鑚が一列になり、さらに定のウ冠の第一画目が下から上に打たれて兼定の特色(注④)が顕著。澄明な地刃は明鏡止水の武士の心境に相応しく、鎌倉時代の来(注⑤)を見るが如き貫禄ある仕上がりとなっている。
 影蝶透の鐔を掛け、大振りな百足図目貫を巻き込んだ、二分刻みの構成線が美しい黒漆塗刻鞘の拵に収められている。

注①…明應九年八月日紀の濃州関住兼定作(疋定)銘の両刃造短刀がある。
(井本悠紀「資料紹介 明応九年八月紀を有する之定の初期銘について」『刀剣美術』六七九号)。
また、同年月日紀の之定銘の刀(『室町期美濃刀工の研究』)があり、改銘した時期は特定される。

注②…「武田左京大夫信虎所持」の二字銘の刀がある(重要美術品)。

注③…田野辺探山氏は、この兼定の銘字について「謹厳ナル手ト柔ラカ味ノアル手ノ二様ガ見ラレ本作ノ字形ハ後者也」と鞘書している。

注④…『室町期美濃刀工の研究』。

注⑤…「明ラカニ古作来派ニ私淑」(田野辺探山氏鞘書)。

刀 銘 兼定(之定初期銘)(最上大業物)刀 銘 兼定(之定初期銘)(最上大業物)二分刻黒漆塗鞘打刀拵 刀身 刀 銘 兼定(之定初期銘)(最上大業物)

刀 銘 兼定(之定初期銘)(最上大業物) 白鞘刀 銘 兼定(之定初期銘)(最上大業物) 白鞘

 

刀 銘 兼定(之定初期銘)(最上大業物) 差表中央刀 銘 兼定(之定初期銘)(最上大業物)差表切先刀 銘 兼定(之定初期銘)(最上大業物) ハバキ上

刀 銘 兼定(之定初期銘)(最上大業物) 差裏切先刀 銘 兼定(之定初期銘)(最上大業物) 差裏ハバキ上刀 銘 武蔵大掾是一(初代) 差裏ハバキ上

 

刀 銘 兼定(之定初期銘)(最上大業物) ハバキ

 

兼定押形