葡萄図大小柄 無銘 古金工
この大きな小柄は、戦乱の時代を生き抜いてきた痕跡が所々に残る実用具。地位の高い武士が備えていたもので、いかにも堂々とし、葡萄の表情も生命感が豊か。
古色溢れる山銅地を石目地に仕上げ、主題の周囲をわずかに彫り下げて高彫に仕上げる古様式が明瞭。猪目小透、葡萄の金色絵、葉に赤銅と素銅を用いて色調の変化を求めている点が高級である。