脇差 銘 近江大掾藤原忠廣
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近江大掾忠廣は慶長十九年の生まれで、初代忠吉が四十二歳の時の子。十歳頃から作刀に従事したのであろう、初代が没した寛永九年は十九歳、以降一門を率いて、子の三代忠吉、孫の四代忠吉を育て、元禄六年に八十歳で没するまで、作刀に対する厳しい姿勢は衰えることがなかった。寛文頃には次代を担う子に希望の光を見出していたとみえ、寛永十四年に生まれ二十代中ほどに成長していた三代忠吉(注)との合作刀も多く遺している。 注…三代陸奥守忠吉は、父に先立つ貞享三年に、五十歳で没している。 |
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