刀
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備後の守護大名山名常熈の居館が置かれて政治経済の中心地として賑わった尾道には、室町中期に五阿弥貞信が鍛冶場を構えている。辰房、五阿弥の工銘は、古刹浄土寺や足利尊氏有縁の光明寺をはじめとする尾道の寺社との縁(注A)を想起させ、彼らの鍛刀活動の背景への興味を強く抱かせるものである。 注@…五阿弥の呼び名は、時宗の他阿弥真教が尾道に来た時、小刀を献じた備後鍛冶が、この法名を拝受したことに因むといい(福永酔剣先生『日本刀大百科事典』)、僧門との関係が窺われる。 |
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